◎女性は12歳で結婚させられ、14歳で男児を出産した。
イラン、首都テヘラン、道徳警察の暴力に抗議するデモ(Getty Images)

国営イラン通信(IRNA)は18日、17歳の妻を斬首した男が禁固8年の実刑判決を言い渡されたと報じた。

昨年2月に発生したいわゆる「名誉殺人」は多くの怒りを引き起こしたが、イランの保守的な男たちは容疑者の行動に理解を示している。

名誉殺人とは婚姻拒否、強姦を含む婚前・婚外交渉、誤った男性との結婚・駆け落ちなどの自由恋愛をした女性やこれを手伝った女性らを「家族の名誉を汚す」ものとみなし、親族がその名誉を守るために殺害する風習のことである。

IRNAは司法当局者の話を引用し、「被害者の両親は容疑者を許したため、刑が軽くなった」と報じている。

しかし、被害者の父親は以前、「容疑者を許さず、殺害に同意したつもりもない」と述べていた。

女性は12歳で結婚させられ、14歳で男児を出産した。

報道によると、被害者は夫に暴力を振るわれ、離婚を求めたが拒否されたため、トルコに逃亡したという。

被害者は昨年2月に殺害される直前、身の安全を保証されたため、帰国した。

裁判所は被告に殺人罪で禁固7年半、暴行罪で禁固8カ月を言い渡した。

IRNAは司法当局者の話を引用し、「この判決はシャリア(イスラム法)に沿ったものであり、殺人は被害者の家族が許さない限り、死刑に処される」と報じている。

被害者の義理の兄は名誉殺人に加担したとして禁固3年9カ月を言い渡された。

このおぞましい事件は女性を軽視する法律の見直し、家庭内暴力の防止、女性被害者の保護を求める要求を呼び起こした。

一部の人権団体は結婚可能年齢を引き上げるよう求めている。イランの結婚可能年齢は13歳以上だが、それ以下であっても保護者が同意し司法が認めれば結婚できる。

2020年には14歳の少女がボーイフレンドと家出した後、父親に斬首される名誉殺人事件が発生した。父親は禁固9年を言い渡されている。

イランは現在、反政府デモに揺れている。

クルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)は昨年9月、ヒジャブ(スカーフ)を適切に着用していないという理由で警察に暴行を受け、その後死亡。抗議デモはイランから世界に拡大した。

これまでに抗議デモに参加した男性4人が処刑され、18人が死刑を宣告されている。逮捕された市民の裁判はすべて非公開で行われ、2人目の死刑囚は建設用クレーンに吊るされ、公衆の面前にさらされた。

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