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イラン警察、ヤズドの騒乱で外国人139人を逮捕=報道

逮捕者の国籍は明らかにされていないが、国内で発生した広範な反政府デモへの関与が理由だとされる。
2026年1月9日/イラン、首都テヘラン、政府に抗議する人々(Getty Images/AFP通信)

イランの治安当局は3日、中央部ヤズドで最近の抗議デモに関与したとして計139人の外国人を逮捕したと発表した。逮捕者の国籍は明らかにされていないが、国内で発生した広範な反政府デモへの関与が理由だとされる。警察は反体制活動を扇動・組織し国外のネットワークと接触していた疑いがあるとしている。これらの発表は国営メディアが伝えたもので、政府は詳細な説明を控えている。

逮捕が行われたヤズドは人口約100万人の内陸砂漠地帯で、先月初めに全国に広がった抗議運動の影響を受けた地域の一つだった。デモは昨年12月、生活費の高騰など経済的な不満を発端に始まり、やがて政治的要求を掲げる大規模な反政府デモへと発展した。これに対し当局は厳しい弾圧を展開し、イラン革命以降最も激しい弾圧になったとの指摘がある。

政府が公式に認めた死者数は3117人とされるが、人権団体は6000人超と指摘している。米国拠点の団体HRANAはこれまでの逮捕者数を5万人近くと報告し、死者数も5000~6000人に上る可能性を示している。こうした統計は政府発表と大きく乖離しており、国際的にも関心が高まっている。

当局は抗議デモを単なる市民の不満の表出ではなく、外部勢力による扇動と位置付けてきた。ヤズドの警察は逮捕された外国人が「暴動行為の組織・扇動・指揮に積極的に関与し、中には国外ネットワークと連絡を取っていた」と述べ、これらの活動が「治安への重大な脅威」であるとの立場を強調した。司法当局も暴力行為に関与した者には厳しい法的措置を取る意向を示している。

テヘランでも数人の外国人が抗議デモ関連で拘束されたとの報道があり、当局はこれらを含めて反乱扇動の取り締まりを強化している。地元メディアによると、これは抗議デモを「米国の扇動」と断定し、関与したとみられる個人に対して厳罰を科す姿勢の一環とみられる。司法省の報道官も「米国による扇動に関わった者は見逃さない」と述べている。

抗議デモは当初、物価高騰や経済的困窮に対する不満の表明から始まったが、やがて政府の宗教的・政治的統治体制そのものへの批判に転じた。これを受けて治安部隊は全国でインターネット遮断や逮捕などの手段を用い、鎮圧を進めた。国際社会や人権団体からはイラン政府に対する非難の声が相次いでいるものの、指導部は外部からの介入を強く非難し、治安の安定維持を優先する立場を崩していない。

ヤズドでの外国人逮捕はこうした抗議行動の余波として発表された最新の動きであり、当局が反政府勢力に対する警戒を一層強めていることを示している。今後も逮捕者の身元や法的手続きの詳細などが注目されるとともに、国内外からの圧力や批判が継続する可能性がある。

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