▽ミラノとテヘランで逮捕された2人の運命は複雑に絡み合っているようにみえる。
イラン外務省が駐イタリア大使を召還し、米国の要請に基づいて「敵対的」な対応を取った場合、2国間関係が損なわれる可能性があると警告した。国営イラン通信(IRNA)が3日に報じた
それによると、外務省高官はイタリア・ミラノで12月16日に逮捕されたイラン国籍の男に言及。「米国の政治的かつ敵対的な取り組みを支援するのであれば、2国間関係が損なわれる可能性がある」と警告したという。
イタリア外務省は2日、ローマの駐イラン大使を召還し、テヘランで逮捕されたイタリア人ジャーナリストのセシリア・サラ(Cecilia Sala)氏の即時釈放を要求していた。
ミラノとテヘランで逮捕された2人の運命は複雑に絡み合っているようにみえる。
ローマで逮捕されたイラン国籍の男は23年1月28日に3人の米軍兵士が死亡したヨルダンのドローン攻撃に関与したとされる。米司法省は男の逮捕状を発行、イタリア当局がミラノの空港で男を逮捕した。
男の逮捕から3日後、イタリアの日刊紙イル・フォリオの記者であるサラ氏がテヘラン市内で逮捕された。IRNAによると、捜査当局はサラ氏が法律に違反したと主張している。
イラン指導部は1979年のイスラム革命以来、多くの外国人を拘束し、西側との交渉の「切り札」として利用してきた。
イランはイタリア政府に対し、サラ氏の解放と引き換えにミラノで逮捕された指名手配犯を釈放するよう要求する可能性がある。
イタリア政府は2年前の「失態」で赤っ恥をかいたことをいまだに引きずっている。
米国の制裁に違反したとして指名手配されているロシア人実業家は2年前、イタリアで逮捕されたものの、自宅軟禁が認められた後、国外に逃亡した。米当局はこの時、男が逃亡する可能性があるとイタリアに警告していた。
この男はロシアに逃れ、今も実業家として活動している。イタリア政府は当時、捜査当局のやり方に問題があったことを認め、調査を命じた。