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▽米国はイランに核開発の放棄を迫っている。イランは平和利用であることを理由にこれを拒否し、米国に制裁を解除するよう求めている。
米国のウィトコフ中東担当特使(右)とイランのアラグチ外相(AP通信)

イラン外務省は15日、核開発に関連する米国との間接協議の第2ラウンドが19日にオマーンで開催される見込みであると発表した。

イランの最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師もX(旧ツイッター)に声明を投稿。「第1回会談はうまくいった」と書いた。

イランの代表団は12日、オマーンの首都マスカットで米当局と間接協議を行った。

ホワイトハウスもウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使アラグチ(Abbas Araghchi)外相と「非常に前向きで建設的な」協議を行ったことを確認した。

両代表団はオマーン外相の立ち会いの下、数分間、直接話した。

イラン外務省は12日、「間接協議は2時間半ほどで終了した」とSNSに投稿した。それによると、両者はイランの核開発と制裁について「それぞれ政府の立場を交換した」という。2回目の協議は欧州で開催されるとの憶測もあった。

ハメネイ師は15日の投稿の中で、「オマーンでの協議は結果が出るかもしれないし、出ないかもしれない」として、過度に期待しないよう忠告した。「我々はオマーン会談について、過度に楽観もしなければ、過度に不信も抱いていない...」

第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。

イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。イランは24年末の時点で60%の高濃縮ウランを200キログラム近く保有している。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用

イランは長い間、核兵器開発を否定してきた。しかし、イランはウラン濃縮を加速させ、兵器級とされる90%に近い60%の濃縮を続けている。

トランプ氏は1期目を通じて実践してきたイランに対する厳しい経済制裁を再開する大統領令に署名。イランの主要収入源である石油産業を標的とする制裁措置が発動した。

米エネルギー省の推計によると、イランの23年の石油輸出額は530億ドル、24年は540億ドルとなっている。24年中の生産量は18年以来最高水準となった。

トランプ氏は最初の任期中、厳しい制裁を科し、イランの石油輸出をほぼゼロに追いやった。イランはバイデン政権下で制裁逃れに成功、輸出量は増加した。トランプ氏はこれを再びゼロにするつもりでいる。

米国はイランに核開発の放棄を迫っている。イランは平和利用であることを理由にこれを拒否し、米国に制裁を解除するよう求めている。

財務省は先週、制裁を回避して石油の密輸に使用しているイランの「影の船団」をターゲットとする新たな制裁措置を発表した。

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