◎先月末就任したペゼシュキアン氏は大統領選期間中、イラン核合意の復活を目指すと公言していた。
イラン、首都テヘランの南に位置するナタンツ原子力施設(MaxarTechnologies/AFP通信)

イランペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)大統領が国連から制裁を科されている米国出身の高官を原子力庁の長官に再任した。国営イラン通信(IRNA)が10日に報じた。

それによると、エスラミ(Mohammad Eslami)氏は原子力庁の長官と副大統領職を兼任する予定。

先月末就任したペゼシュキアン氏は大統領選期間中、イラン核合意の復活を目指すと公言していた。

国連はエスラミ氏が防衛産業訓練研究所の所長を務めていた2008年に、「核活動の拡散、核兵器運搬システムの開発に関与または直接関連・支援した」として制裁を科した。

エスラミ氏は2021年に故ライシ(Ebrahim Raisi)前大統領によって原子力庁の長官に任命された。それ以前には運輸相などの重要ポストを歴任した。

2018年に破綻したイラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止しているが、イランは60%の高濃縮ウランを生産し続けている。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用

専門家によると、イランは数発分の核弾頭を製造できるレベルのウランを保有している。

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