▽ハメネイ師は西側との交渉について常に慎重に発言してきた。
![](https://kagonma-info.com/wp-content/uploads/2025/02/トランプ米大統領(左)とイランの最高指導者ハメネイ師(Getty-Images)-1.jpg)
イランの最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師は7日、イラン核合意をめぐるトランプ米政権との交渉に否定的な見方を示した。
国営イラン通信(IRNA)によると、ハメネイ師は軍の式典で演説した際、「米国との交渉で何か期待するのは間違いである」と指摘したという。
またハメネイ師はトランプ(Donald Trump)大統領を念頭に置き、「米国との交渉は知的でも懸命でもない」と述べた。
さらに、「そのような政府とは交渉すべきではない」としたものの、協議に応じないとは言及しなかった。
ハメネイ師は西側との交渉について常に慎重に発言してきた。
昨年の米大統領選期間中、イラン政府関係者はトランプ陣営からのメッセージを待っているように見えた。
第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。
イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。イランは24年末の時点で60%の高濃縮ウランを200キログラム近く保有している。
<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用
イラン経済はこの制裁で失速。さらに、トランプ氏は今週、1期目を通じて実践してきたイランに対する厳しい経済制裁を再開する大統領令に署名した。
これにより、イランは数十億ドル規模の資産を差し押さえられ、石油輸出による利益を失う可能性が出てきた。
トランプ氏は4日、大統領令に署名する際、「イランと取引する用意がある」と示唆した。「署名はするが、できればやりたくない。イランとの取引がうまくいくかどうかは、これからだ...」
米エネルギー省エネルギー情報局の推計によると、イランの23年の石油輸出は530億ドル、24年は540億ドルとなっている。24年中の生産量は18年以来最高水準となった。
トランプ氏は最初の任期中、厳しい制裁を科し、イランの石油輸出をほぼゼロに追いやった。イランはバイデン政権下で制裁逃れに成功、輸出量は増加した。