◎生徒たちは有毒なガスを吸い体調を崩したと証言している。
イランの警察当局は15日、全国の学校で数千人の女子生徒が体調不良を訴えている事件について、これまでに110人を逮捕したと発表した。
地元の人権団体によると、昨年11月以降、全国の少なくとも230の学校で多くの女子学生が中毒症状を訴えているという。その一部は寝たきりの状態になったと報告されている。
生徒たちは有毒なガスを吸い体調を崩したと証言している。
当局は使用された化学物質や事件に関与したとされる容疑者のことは明らかにしていない。
イラン指導部は隣国のアフガニスタンとは異なり、女子教育を認めてきた。1979年のイスラム革命の最中でも女子生徒は学校に通い続けた。
報道によると、死者は確認されていないという。
国営イラン通信(IRNA)は政府報道官の声明を引用し、「中毒事件に関与した110人を逮捕し、ガスを拡散させる装置を数千個押収した」と報じている。
人権団体は中毒症状を起こした生徒数百人が入院したと報告している。
イラン指導部は昨年9月に反政府デモが発生して以来、独立系メディアを厳しく取り締まり、ジャーナリスト数十人を逮捕した。
AP通信によると、イラン当局はこの中毒事件を取材するジャーナリストを監視しているという。事件の詳細はほとんど明らかになっていない。
事件を調査する政府の委員会は今月初め、25地域の少なくとも230の学校で5000人もの女子生徒が体調不良を訴えたと発表した。
最近の抗議デモを監視している地元の人権団体「Human Rights Activists in Iran」はその数を7000人以上と見積もっている。
世界保健機関(WHO)によると、アフガンでも2009~12年にかけて全国の女性生徒数百人が中毒症状を訴えたことがあるという。何者かが攻撃を仕掛けたと疑われたものの、それを裏付ける証拠は見つからなかった。
一部の専門家は今回の事件について、「女子の就学に反対する集団または組織の犯行」と指摘している。