▽第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。
とイランの最高指導者ハメネイ師(Getty-Images).jpg)
イランのペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)大統領がトランプ米政権との核合意に関する直接交渉を拒否した。国営イラン通信(IRNA)が30日に報じた。
それによると、ペゼシュキアン氏は間接交渉の可能性に言及し、「実現するかどうかは米国次第」と述べたという。
トランプ(Donald Trump)米大統領は今月初め、イランの最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師に書簡を送り、核開発を放棄するよう迫った。
IRNAによると、ペゼシュキアン氏は閣議の中で、「米大統領の書簡に対する回答はオマーン経由で米側に送られた」と述べたという。
ペゼシュキアン氏は「イランが交渉を避けたことは一度もない」と強調。「合意から一方的に離脱したのは米国だ」と非難した。
IRNAによると、ペゼシュキアン氏は書簡の中で、「この問題を引き起こしたのは米国であり、信頼回復のために対処しなければならないのはあなた方だ」と強調したという。
第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。
イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。イランは24年末の時点で60%の高濃縮ウランを200キログラム近く保有している。
<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用
イランは長い間、核兵器開発を否定してきた。しかし、イランはウラン濃縮を劇的に加速させ、兵器級とされる90%程度に近い60%の濃縮を続けている。
トランプ氏は1期目を通じて実践してきたイランに対する厳しい経済制裁を再開する大統領令に署名。先月、イランの主要収入源である石油産業を標的とする制裁措置が発動した。
米エネルギー省の推計によると、イランの23年の石油輸出額は530億ドル、24年は540億ドルとなっている。24年中の生産量は18年以来最高水準となった。
トランプ氏は最初の任期中、厳しい制裁を科し、イランの石油輸出をほぼゼロに追いやった。イランはバイデン政権下で制裁逃れに成功、輸出量は増加した。トランプ氏はこれを再びゼロにするつもりでいる。