◎決選投票は5日に行われ、即日開票された。
2024年7月5日/イラン、首都テヘラン、大統領選を制した改革派のペゼシュキアン氏(AP通信)

イランの大統領選を制した改革派のペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)元保健相が6日、勝利を宣言し、「全国民のために働き、奉仕する」と誓った。

決選投票は5日に行われ、即日開票された。

選挙管理委員会によると、ペゼシュキアン氏が1630万票、強硬派のジャリリ(Saeed Jalili)氏は1350万票。ペゼシュキアン氏が過半数を獲得、勝利した。投票率は49.6%で、第1回の39.9%を大幅に上回った。

ペゼシュキアン氏は米国の厳しい経済制裁がもたらした不況やインフレに不満を募らせる市民の受け皿になったようだ。

ペゼシュキアン氏は選挙戦で、シーア派神権政治に根本的な変更を加えないと約束。ハメネイ(Ali Khamenei)師を最高指導者とする、「対話を重視する政権を立ち上げる」と訴えてきた。

国を支配する強硬派がペゼシュキアン氏の控えめな目標を受け入れるかどうかは不明だ。イランは兵器級に近いウランを濃縮し、その気になれば数発の核弾頭を製造できる量を保有している。

ペゼシュキアン氏は夜明け前から首都テヘランの通りに出て、有権者に手を振り、1979年のイスラム革命の指導者である故ホメイニ(Ayatollah Ruhollah Khomeini)師の霊廟を訪れ、記者会見した。

米政府の報道官は6日、イランの大統領選について、「自由でも公正でもなく、新大統領がイランの方向性に根本的な変化をもたらすことはない」と批判した。

イランの経済は米国の制裁で著しく悪化。当時のトランプ政権はイラン核合意から離脱し、イランの外国資産を凍結したうえで、原油、天然ガス、石油化学製品などに対する投資を禁じた。

イランの大統領は主に外交を担当する。三権の長は最高指導者のハメネイ師であり、反体制派は大統領を最高指導者の「報道官」と呼んでいる。

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