◎イランは公式には女性のスポーツ会場への立ち入りを禁じていないが、現場では多くの女性が観戦を拒否されている。
イランの人権団体「オープン・スタジアムズ(Open Stadiums)」が国際サッカー連盟(FIFA)にプレッシャーをかけている。
同団体はまもなく開幕するカタールワールドカップからイラン代表を除外するよう求めている。
さらに、イランのスポーツ界の著名人もイランサッカー協会の活動を禁じるよう求める嘆願書をFIFAに提出した。
オープン・スタジアムズは女性のサッカースタジアムへの立ち入りを禁じるイラン政府の規則はFIFAの原則に反していると指摘している。
また同団体はFIFAに対し、「スポーツの中立性は理由にならない」とプレッシャーをかけた。
さらに一部の人権活動家は、200人以上が殺害されたとみられるイランの治安部隊による弾圧を理由に「イラン代表をW杯から永久追放しろ」とSNSに投稿している。
オープン・スタジアムズは先月、イラン代表の除外を求める呼びかけを開始した。
同団体は声明で、「イラン指導部の自国民に対する残虐行為は常軌を逸しており、スポーツ界からも除外を求める声が出ている」と述べた。
また同団体は、「女性は一貫してスタジアムへの入場を認められず、イランのサッカー界から組織的な迫害を受けており、FIFAの価値観や規則に相いれない」としている。
「イランサッカー協会が政府のガイドラインに従っているのであれば、独立した組織とは言えず、FIFAの規則(第19条)に違反する」
イランは公式には女性のスポーツ会場への立ち入りを禁じていないが、現場では多くの女性が観戦を拒否されている。
FIFAは今年初め、イラン当局に対し、女性のスタジアム入場を許可するよう要請した。その結果、ペルシアン・ガルフ・プロリーグの一部試合の観戦が許可された。
オープン・スタジアムズによると、過去にも同様の違反で出場停止処分を受けた国があるという。
同団体は「FIFはイランを直ちに資格停止処分にしなければならない」と呼びかけている。「FIFAは人権を積極的に弾圧している国の参加を認めるべきではない」