◎イラン国内ではシャリア(イスラム法)に基づき、ヒジャブとブルカの着用が義務付けられている。
イラン当局がトルコ航空の現地事務所に閉鎖を命じた。国営イラン通信(IRNA)が9日に報じた。
それによると、同社の女性社員がヒジャブ(イスラム教のスカーフ)の着用を拒否したため、事務所に閉鎖を命じたという。
IRNAは関係者の話しとして、「警察は8日、首都テヘランにあるトルコ航空の事務所に出向き、責任者に対し、女性職員にヒジャブを正しく着用させるよう要請した」と伝えている。
しかし、同社の女性職員はこれに応じず、道徳警察とトラブルを起こしたとされる。
タリバンはその後、事務所に閉鎖を命じた。
報道によると、事務所は10日に営業を再開する予定。同社の便は通常通り運航している。
トルコ航空はこの閉鎖命令に関するコメントを出していない。
イラン国内ではシャリア(イスラム法)に基づき、ヒジャブとブルカ(全身を覆うヴェール)の着用が義務付けられている。
クルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんは22年9月、ヒジャブを正しく着用していないという理由で道徳察官に暴行を受け、その後死亡した。
アミニさんの死を巡る抗議デモは全国に拡大。治安部隊の取り締まりにより500人以上が死亡、2万人以上が逮捕される事態となった。
弾圧が収束した後も、多くの女性がヒジャブを付けずに外出している。
トルコとイランは比較的良好な関係を維持している。エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は今週、イランの次期大統領に選ばれた改革派のペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)氏と電話会談を行い、関係を深化させることで一致した。