イラン外相「米国との核協議進展」仲介国オマーンが案提示
▽両国の代表団はイタリア・ローマの在オマーン大使館で5回目の間接協議を行った。
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イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相は23日、米国との核協議が進展する可能性があると明らかにした。
両国の代表団はこの日、イタリア・ローマの在オマーン大使館で5回目の間接協議を行った。
アラグチ氏は国営イラン通信(IRNA)の取材に対し、「仲介者であるオマーンがいくつかの提案を行ったことで、米国との核交渉が進展する可能性がある」と述べた。
またアラグチ氏は「イランの立場を明確にした」と強調。「筋の通った道筋にあるという事実自体が、前進の兆しと言える」と述べた。
両国はそれぞれの提案を持ち帰り、検討後、次回協議を行う予定とのこと。
米国はイランに核開発を放棄するよう求めている。
第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。
イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。イランは24年末の時点で60%の高濃縮ウランを200キログラム近く保有している。
<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用
イランは長い間、核兵器開発を否定してきた。しかし、イランはウラン濃縮を加速させ、兵器級とされる90%に近い60%の濃縮を続けている。
トランプ(Donald Trump)大統領は1期目を通じて実践してきたイランに対する厳しい経済制裁を再開する大統領令に署名。イランの主要収入源である石油産業を標的とする制裁措置が発動した。
イランは平和利用であることを理由にトランプ政権の要求を拒否し、制裁を解除するよう求めている。
トランプ氏は最初の任期中、厳しい制裁を科し、イランの石油輸出をほぼゼロに追いやった。イランはバイデン政権下で制裁逃れに成功、輸出量は増加した。トランプ氏はこれを再びゼロにするつもりでいる。