◎正体不明のハッカー集団が攻撃に関与したことを認め、イラン指導部に政治犯の釈放を要求した。
2022年10月22日/ドイツ、首都ベルリン、イラン指導部に抗議するデモ(Markus Schreiber/AP通信)

イラン政府は23日、正体不明の外国人ハッカー集団が原子力機関を攻撃したと発表した。

原子力当局によると、ハッカーは同機関の子会社のネットワークに侵入したという。

AP通信は当局筋の話を引用し、「正体不明のハッカー集団が攻撃に関与したことを認め、イラン指導部に政治犯の釈放を要求した」と報じている。

それによると、ブラックリワード(Black Reward」と名乗るグループは原子力発電所に関連する50ギガバイトの内部メール、契約書、工事関連資料をテレグラムチャンネルに添付・共有したという。

漏洩したファイルに機密事項が含まれているかどうかは不明である。

ブラックリワードはテレグラムに犯行声明を投稿している。「我々は欧米人と違って、犯罪者に媚びない」

イラン政府はこのハッキングの背後にいる国を特定しなかったが、過去に発生したサイバー攻撃については米国とイスラエルの犯行と主張している。

国営イラン通信(IRNA)は原子力当局の声明を引用し、「自暴自棄になった外国人が世間の注目を集めようとしている」と報じた。

一方、イランの教員組合は23日、デモに参加した学生が治安部隊の攻撃を受けたことに抗議し、全国の複数の学校でストライキを開始した。

教員組合は北西部の都市サナンダジやケルマンシャー州などのクルド人居住区、西アゼルバイジャン州、山岳地帯のハマダン州などの学校で「女性・生命・自由」と書かれた看板を掲げる教師たちの写真をSNSに投稿した。

ある教師はSNSに「学校は戦地と化し、小学生に催涙ガスが浴びせられた」と投稿している。

首都テヘランでクルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんがヒジャブを適切に着用しなかったという理由で道徳警察に殴り殺された事件は欧米諸国を巻き込む抗議デモに発展した。

アミニさんは先月13日、テヘランを訪問中にヒジャブを適切に着用しなかったという理由で道徳警察に殴られ、パトカーに頭を叩きつけられ、車内で暴行を受け、昏睡状態に陥り、3日後に死亡した。

イランでは欧米の支援を受けた1953年の学生デモや、改革派のハタミ(Mohammad Khatami)元大統領の政権下で発生した1999年の民主化デモなど、学校のデモが不安の火種になってきた。

SNSに投稿された動画や写真によると、全国の大学で散発的なデモが続き、テヘランの大学では治安部隊と学生が衝突、数十人が逮捕されたという。

ある大学ではキャンパスのカフェテリアに設置されている男女を隔てる壁が破壊されたようだ。

学生たちがこぶしを突き上げて「自由!自由!自由!」と叫びながら行進する動画はツイッターやフェイスブックなどで共有され、世界に拡散している。

2022年9月28日/チリ、首都サンティアゴ、イランの道徳警察に抗議するデモ(Getty Images/AFP通信)
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