◎クルド人女性のアミニさんは2年前、ヒジャブ(イスラム教のスカーフ)を正しく着用していないという理由で道徳察官に暴行を受け死亡した。
イラン、首都テヘランの通り(Getty Images)

イランのペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)大統領は16日、道徳警察による女性への弾圧をやめさせると表明した。

ペゼシュキアン氏はクルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんが道徳警察に殺害されてから2年となるこの日、ヒジャブ(イスラム教のスカーフ)の着用に関して、女性が道徳警察の取り締まりに悩むことはもうないと表明した。

アミニさんは2年前、ヒジャブを正しく着用していないという理由で道徳察官に暴行を受け死亡した。

アミニさんの死を巡る抗議デモは全国に拡大。治安部隊の取り締まりにより500人以上が死亡、2万人以上が逮捕された。

ペゼシュキアン氏は大統領選の期間中、ヒジャブルールを緩和したり、対話を重視して西側諸国との関係改善を目指すと約束していた。

国連は先週、アミニさんの死に言及。「イラン政府はこの時期から女性の権利を抑圧し、活動家をつぶすために、取り締まりを強化してきた」と非難した。

しかし、ペゼシュキアン氏は16日、道徳警察はもはや路上で女性を取り締まるべきではないと強調した。

ペゼシュキアン氏は記者会見に向かう途中、ヒジャブを緩く巻いた女性記者の質問を受けた。この記者の髪の毛は少し見えていた。

ペゼシュキアン氏は女性記者に「道徳警察はまだ路上にいるか?」と聞くと、女性は「いる」と答えた。

それに対してペゼシュキアン氏はこう言った。「道徳警察は女性と対峙しないことになっている。女性に迷惑をかけないように私がフォローする」

このやり取りは国営テレビで生中継され、SNSでも拡散した。

ペゼシュキアン氏の記者会見は7月の就任以来、初であった。

最高指導者のハメネイ(Ali Khamenei)師を含む強硬派がペゼシュキアン氏の約束を受け入れるかどうかは不明だ。

イランの大統領は主に外交を担当する。三権の長は最高指導者のハメネイ師であり、反体制派は大統領を最高指導者の「傀儡」と呼んでいる。

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