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▽第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。
トランプ米大統領(右)とイランの最高指導者ハメネイ師(Getty Images)

イラン最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師は17日、トランプ(Donald Trump)米大統領が今週中東を歴訪した際、「この地域の平和を望んでいるとウソをついた」と非難した。

ハメネイ師は首都テヘランの式典で、「米国はガザの子供たちの頭に落とす10トン爆弾をシオニスト(イスラエル)政権に与えるために権力を行使している」と語った。

トランプ氏は16日、アラブ首長国連邦(UAE)を出発した後、エアフォース・ワンの記者団に対し、「イランは核開発プログラムに関する米国の提案に迅速に対応しなければならない」と述べた。

ハメネイ師は「米国の発言に答えるつもりはなく、答える価値すらない」と一蹴。「恥を知るべきだ」と非難した。

またハメネイ師は「この地域の腐敗、戦争、紛争の元凶は間違いなくシオニスト政権にある」と強調した。

イランペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)大統領も17日、「トランプ大統領は平和について語りながら、同時に脅威を与えている」と述べ、圧力外交を非難した。

トランプ氏は16日、「イランは核開発プログラムについて米国から提案を受けている」と述べたが、イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相はX(旧ツイッター)への投稿で、「イランはそのような提案を受けていない」と否定した。

イランと米国は11日、オマーンの首都マスカットで4回目の核協議を実施。アラグチ氏とトランプ政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が仲介者を通じて協議した。

第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。

イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。イランは24年末の時点で60%の高濃縮ウランを200キログラム近く保有している。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用

イランは長い間、核兵器開発を否定してきた。しかし、イランはウラン濃縮を加速させ、兵器級とされる90%に近い60%の濃縮を続けている。

トランプ氏は1期目を通じて実践してきたイランに対する厳しい経済制裁を再開する大統領令に署名。イランの主要収入源である石油産業を標的とする制裁措置が発動した。

イランは平和利用であることを理由にトランプ政権の要求を拒否し、制裁を解除するよう求めている。

トランプ氏は最初の任期中、厳しい制裁を科し、イランの石油輸出をほぼゼロに追いやった。イランはバイデン政権下で制裁逃れに成功、輸出量は増加した。トランプ氏はこれを再びゼロにするつもりでいる。

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