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▽イランと米国は11日、オマーンの首都マスカットで4回目の核協議を行った。
トランプ米大統領(左)とイランの最高指導者ハメネイ師(Getty Images/AFP通信)

イラン最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師が米国との核交渉に疑問を呈し、交渉が合意に達するとは考えていないと表明した。国営イラン通信(IRNA)が20日に報じた。

それによると、ハメネイ師は政府高官との会合で、米国との協議が続くことを確認した。

またハメネイ師は「ウラン濃縮を止めることはない」と明言した。

イランと米国は11日、オマーンの首都マスカットで4回目の核協議を実施。アラグチ(Abbas Araghchi)外相とトランプ政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が仲介者を通じて協議した。

アラグチ氏は一連の交渉について、「困難だったが有益であった」と述べ、米国は「これまでの成果に勇気づけられた」と強調していた。

ハメネイ師は「前政権時代にも間接的な協議が行われたが、結果は出なかった」と述べ、「今回も同じである」と付け加えた。

またハメネイ師は「それが結果につながるとは考えていない。何が起こるかわからない」と述べた。

米国はイランに核開発を放棄するよう求めている。

第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。

イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。イランは24年末の時点で60%の高濃縮ウランを200キログラム近く保有している。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用

イランは長い間、核兵器開発を否定してきた。しかし、イランはウラン濃縮を加速させ、兵器級とされる90%に近い60%の濃縮を続けている。

トランプ(Donald Trump)大統領は1期目を通じて実践してきたイランに対する厳しい経済制裁を再開する大統領令に署名。イランの主要収入源である石油産業を標的とする制裁措置が発動した。

イランは平和利用であることを理由にトランプ政権の要求を拒否し、制裁を解除するよう求めている。

トランプ氏は最初の任期中、厳しい制裁を科し、イランの石油輸出をほぼゼロに追いやった。イランはバイデン政権下で制裁逃れに成功、輸出量は増加した。トランプ氏はこれを再びゼロにするつもりでいる。

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