◎イラン革命防衛隊(IRGC)はイラン国内で先週発生した暴動にクルド人武装勢力が関与したとして、この地域を空爆した。
イラク当局は28日、北部のクルド人自治区がイランの空爆を受けた事件について、これまでに妊婦を含む9人の死亡を確認したと報告した。
イラン革命防衛隊(IRGC)はイラン国内で先週発生した暴動にクルド人武装勢力が関与したとして、この地域を空爆した。
クルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんがヒジャブ(イスラム教の女性が着用するヴェール)を適切に着用しなかったという理由でイランの道徳警察に殴り殺された事件は全国を巻き込む抗議デモに発展した。
イラン政府はSNSで情報が拡散することを恐れ、国内のインターネットを遮断している。
アミニさんは今月13日、テヘランを訪問中にヒジャブを適切に着用しなかったという理由で道徳警察に殴られ、パトカーに頭を叩きつけられ、車内で暴行を受け、昏睡状態に陥り、3日後に死亡した。
道徳警察はアミニさんが突然心不全を起こし、拘置所で倒れたと発表している。しかし、アミニさんの家族はこの主張を否定した。
SNSにはアミニさんが殴られ、引きずり倒され、車内で暴行を受ける様子を記録した映像が広く共有されている。
クルドの人権団体は26日、イラン当局が西部クルディスタンや他の地域でデモ隊を弾圧し、クルド人デモ参加者18人を殺害したと報告。治安部隊の暴力で市民898人が負傷し、1000人以上が逮捕されたという。
人権団体イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)はデモ参加者の死者数を76人と報告している。しかし、国営イラン通信(IRNA)は治安部隊の兵士を含む41人が暴徒の攻撃に巻き込まれ死亡したと報じた。
イラン政府はこの騒動を「外敵によるテロ」と指摘。隣国イラクで活動するクルド人武装勢力が現地に兵士を送り込み、不安を煽ったと主張している。
IRGCは28日、イラク北部クルド人自治区で活動する「イラン・クルド民主党(KDP-Iran)」と「クルド労働者党(PKK)」の主要拠点を精密誘導ミサイルとドローンで空爆したと発表した。この地域への空爆はこの4日間で3回目。
IRGCは「脅威が取り除かれるまで攻撃は続く」と警告している。
KDPはドローン10機がこの地域に到達したと報告している。PKKは本部基地が攻撃を受けたと報告した。
クルド人自治区は声明で、「我々がイランで発生した出来事に関与したというイランの主張は誤りであり、誤った情報を拡散し、誤解を招く」と非難した。
イラク政府もこの攻撃を非難し、イラクの国連代表部はイランに対し、「ミサイル外交は壊滅的な結果をもたらす」と警告した。
米政府は攻撃を「カモフラージュ」と呼び、「イランはイラクへの攻撃で国民の目を国内問題からそらさせようとしているが、正当な抗議を抑えることはできない」と非難した。