イラン最高指導者「米国との問題、解決不能」=国営メディア
イランは6月、イスラエルとの12日間の戦争が勃発したことを受け、米国との核交渉を中断した。
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イランの最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師が米国との現在の対立を「解決不能」と指摘し、その圧力に屈することは決してないと強調した。国営イラン通信(IRNA)が24日に報じた。
それによると、ハメネイ師は首都テヘランで演説。「米政府はイランが米国に従順になることを望んでいる。イランはそのような誤った期待を抱く者たちに対し、全力で対抗する」と語った。
またハメネイ師は「米国に対するスローガンを掲げないよう求める人々、米国との直接交渉を望む人々は表面的なことしか見ていない…この問題は解決不能だ」と付け加えた。
イランは6月、イスラエルとの12日間の戦争が勃発したことを受け、米国との核交渉を中断した。
イランの核施設はこの戦争で大きな被害を受けたとされる。
イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相と英仏独の外相は先週末、核問題に関する協議を再開することで合意した。
トランプ米政権とイスラエル政府はイランが核開発につながる可能性のあるウラン濃縮を再開した場合、再びイランを攻撃すると警告している。
イランは5月時点で60%の濃縮ウランを408.6キログラム保有。IAEAによると、これは核弾頭9発分に相当する。
<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用
イラン政府は5月31日にIAEAがイランを非難する報告書を公表し、核不拡散義務に違反していると宣言した結果、イスラエルが空爆に踏み切ったと非難してきた。
またイランはIAEAの監督下にある非核保有国のイランが核保有国の米国とイスラエルの攻撃を受けたこと、そして、核不拡散条約(NPT)に加盟せず、核兵器を保有するイスラエルが核施設を攻撃したことを国際法違反と糾弾している。
NPTで核保有を認められた5カ国(米露中英仏)以外に核兵器を保有する国のひとつがイスラエルであり、IAEAを含む国際社会はそれを黙認してきた。
イスラエルは現在、核弾頭を約90発を保有していると推定されるが、その保有を認めたことは一度もない。