◎国営イラン通信(IRNA)は全国31州のうち21州が大雨の影響を受けたと伝えている。
2022年7月28日/イラン、首都テヘラン近郊(Iranian Red Crescent Society/AP通信)

イラン国営メディアは29日、首都テヘラン近郊で発生した豪雨による土砂崩れ災害について、これまでに53人の死亡が確認されたと報じた。

アルボルズ山脈の麓に位置するイマムザデダウドで28日未明に発生した洪水と土砂崩れは町の景色を一変させた。

国営イラン通信(IRNA)によると、イマムザデダウドを含む少なくとも2つの集落で泥流が確認され、30人以上が死亡。他の8つの州で20人近くが死亡した。

IRNAは全国31州のうち21州が大雨の影響を受けたと伝えている。また、少なくとも16人の行方が分からず、犠牲者数は増加する可能性が高いという。

救助活動にはイラン革命防衛隊(IRGC)の兵士も参加し、数千人を安全な場所に避難させたと伝えられている。

イランの気象専門家によると、今週の豪雨災害はこの10年で最大規模とみられ、死者は100人を超えたという。

南部ファルス州郊外で先週末に発生した鉄砲水では少なくとも22人が死亡し、同州内の12の村が被害を受けた。

同国北部で2001年に発生した土砂崩れでは約500人、1987年の洪水と土砂崩れでは約300人が死亡したと推定されている。

気象当局はテヘラン近郊で大雨が続き、土砂崩れのリスクが高まっていると警告していた。同局によると、来週中頃までは不安定な天気が続くという。

政府は多くの市民が気象当局の警告を無視した結果、死者数が増加したと主張しているが、専門家は政府の不作為と治水対策の不備が原因と反論している。

2022年7月28日/イラン、首都テヘラン近郊(Vahid Salemi/AP通信)
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