◎イスラエル軍はパレスチナ自治区・ガザへの地上侵攻を開始する準備を進めているものとみられる。
イランのアブドラヒアン(Hossein Amirabdollahian)外相は13日、訪問先のレバノン・ベイルートで記者団の取材に応じ、イスラエル軍がガザ地区への攻撃を継続すれば、戦争が近隣諸国に拡大する可能性があると警告した。
アブドラヒアン氏はベイルートの前にイラクを訪問。この後、シリアの首都ダマスカスに向かう予定である。
イランはガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマス、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ、イエメンの大部分を実効支配するシーア派武装勢力フーシ、そしてシリアのアサド政権と連携して対イスラエル戦線を構築している。
アブドラヒアン氏はレバノンのミカティ(Najib Mikati)首相、ヒズボラの指導者ナスララ(Hassan Nasrallah)師、国会議長などと会談した。
イスラエル軍はガザへの地上侵攻を開始する準備を進めているものとみられる。一連の衝突で死亡した民間人は3000人近くに達した。
イスラエルとレバノンの国境付近でも銃撃戦が続いており、ヒズボラとイスラエルの戦争に発展するという懸念が高まっている。
イスラエル軍は12日、シリアの首都ダマスカスと北部アレッポにある空港を空爆し、使用不能にした。国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、この空爆はシリア側からイスラエルの占領地ゴラン高原に向けて砲撃があった直後に行われたという。
9日にはヒズボラの戦闘員少なくとも3人がレバノン国境沿いの銃撃戦で死亡したと伝えられている。イスラエル軍によると、ヒズボラが発射した対戦車ミサイルにより、兵士1人が死亡したという。
米国のバイデン(Joe Biden)大統領は他の中東諸国に紛争に加わらないよう警告。空母打撃軍をこの地域に派遣し、イスラエルを全面的に支援すると表明した。
AP通信の取材に応じたハマスの幹部は今週、「イランやヒズボラなどの同盟国はガザが戦争状態に陥れば、参戦するだろう」と述べ、イスラエルを強くけん制した。