◎イランは宿敵イスラエルの諜報機関に関与した個人を厳しく罰すると誓い、長きにわたって影の戦争を繰り広げてきた。
国営イラン通信(IRNA)は4日、イスラエルの諜報活動に協力したとされる4人の死刑が執行されたと報じた。
IRNAによると、刑は4日の早い時間に執行されたという。4人は「イスラエルとの協力」および「誘拐」の罪で有罪判決を受けていた。
4人の身元は明らかにされていないが、イラン人とみられる。最高裁判所は1日に高裁の判決を支持したと伝えられている。
司法当局がウェブサイトに掲載した声明によると、武器所持や誘拐ほう助などで起訴された3人は禁固5~10年を言い渡されたという。
イランは宿敵イスラエルの諜報機関に関与した個人を厳しく罰すると誓い、長きにわたって影の戦争を繰り広げてきた。
イスラエルのメディアは先月、4人が関与したとされる誘拐について、「イラン革命防衛隊(IRGC)の関係者と名乗る男が欧州の複数の場所でイスラエルの外交官を狙うと話していたところが目撃された」と報じている。
4人が誰を誘拐したかは不明だ。
IRNAはイスラエルの主張を否定し、「有罪判決を受けた男たちは農民で、昨年、イスラエルの諜報機関と共謀して個人を誘拐し、特定のフレーズを言うよう強制した」と説明している。
イランは各地で続いている抗議デモにイスラエルが関与したと主張している。クルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんが首都テヘランで道徳警察に殴り殺された事件は発生からまもなく3カ月を迎える。
イランの司法当局によると、このデモに関与した市民6人が死刑を宣告されたという。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは判決を非難し、現在公判中の被告少なくとも21人が絞首刑に処される可能性があると警告している。
イランは死刑執行数を公表していないが、地元の活動家によると、その数は非公式を含めると数百件にのぼるという。