イラン当局、治安部隊襲撃の男の死刑執行 22年ヒジャブ抗議デモ
クルド人女性のアミニさんは22年9月、ヒジャブ(イスラム教のスカーフ)を正しく着用していないという理由で道徳察官に暴行を受け死亡した。
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イラン当局が2022年の抗議デモ中に治安要員を殺害したとされる男の死刑を執行した。国営イラン通信(IRNA)が6日に報じた。
それによると、この男は22年12月、中部イスファハンで治安部隊の車両を襲撃した犯人の1人とされる。この襲撃で警察官1人が死亡、数人が負傷した。
クルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんは22年9月、ヒジャブ(イスラム教のスカーフ)を正しく着用していないという理由で道徳察官に暴行を受け死亡した。
アミニさんの死を巡る抗議デモは全国に拡大。治安部隊の取り締まりにより500人以上が死亡、2万人以上が逮捕された。
今回の執行により、この暴動に関連して死刑に処された者は10人となった。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は先月末、イランの死刑執行数が急増し、今年に入ってこれまでに少なくとも841人が死刑に処されたと明らかにした。
イランで昨年死刑に処された人は確認できているだけで901人。15年以来の水準に達した。その中にはイスラエルのスパイも含まれている。
イランでは多くの犯罪に死刑が適用されている。
対象となるのは殺人、強姦、薬物犯罪、武装強盗、反政府活動、イスラム教への冒涜など幅広い。
特に薬物犯罪に対する死刑判決が多く、年間数百件の執行が報告されている。
裁判はイスラム法(シャリーア)に基づいて行われ、被告の権利保障が不十分と国際的に批判されている。
公開処刑も行われることがあり、人権団体からは透明性の欠如や恣意的な運用に対する懸念が示されている。