◎イラン指導部は国内外を問わず、すべての女性にヒジャブ着用を義務づけている。
2022年10月16日/韓国、ソウルで開催されたスポーツクライミングのアジア選手権、イラン代表のレカビ選手(International Federation of Sport Climbing/YouTube)

イランのスポーツクライミング代表であるレカビ(Elnaz Rekabi)選手は16日、ヒジャブを着用せずに国際大会に出場し、喝采を浴びた。

イラン指導部は国内外を問わず、すべての女性にヒジャブ着用を義務づけている。

レカビ選手(33)は16日に韓国で開催された国際スポーツクライミング連盟主催のアジア選手権に出場。ヒジャブを着用せずに競技に臨んだ。

ヒジャブ着用義務に背いたイラン人女性アスリートは2人目。ソーシャルメディアでは「歴史的」「勇気」「最高」といった投稿が多数寄せられた。

女子プロボクサーのハデム選手は2019年、フランスで行われた試合に「ノーヒジャブ」で登場し、初勝利を挙げた。

ハデム氏はイランに帰国する予定だったが、イラン当局がドレスコード違反で逮捕状を発行したため、今もフランスにとどまっている。

公共の場でヒジャブを着用しないイラン人女性は同国の道徳警察によって日常的に逮捕されている。

レカビ選手は最終ラウンドに進み、4位入賞を果たした。

イランのスポーツクライミング連盟はヒジャブを着用せずに競技に臨んだレカビ選手の写真と結果をウェブサイトに掲載している。

首都テヘランでクルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんがヒジャブを適切に着用しなかったという理由で道徳警察に殴り殺された事件は全国規模のデモを引き起こし、一部地域では暴動に発展している。デモは5週目に突入した。

アミニさんは先月13日、テヘランを訪問中にヒジャブを適切に着用しなかったという理由で道徳警察に殴られ、パトカーに頭を叩きつけられ、車内で暴行を受け、昏睡状態に陥り、3日後に死亡した。

道徳警察は暴行を否定しているが、SNSで拡散した写真や動画にはアミニさんが殴られるところが写っていた。

イランの女性デモ参加者はアミニさんとの連帯を示すためにヒジャブを脱ぎ、一部の女性はその場で髪を切ったり、ヒジャブを焼いたりしている。

このデモは世界に拡散し、多くの人々がイランのデモ隊を支持するために街頭に立っている。

人権団体などによると、イラン革命防衛隊(IRGC)と警察はデモ隊を徹底的に弾圧している。当局はインターネットも定期的に遮断し、SNSによる情報拡散を防ごうとしている。

米国に拠点を置く人権監視団体HRANAによると、治安部隊は9月17日のデモ開始以来、8000人近くのデモ参加が逮捕し、少なくとも240人を殺害したという。

殺害された240人のうち32人が18歳未満と報告されている。

2022年9月20日/イラン、首都テヘラン中心部、道徳警察の暴力に抗議するデモ(Getty Images/AFP通信)
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