イラン外相、米国との協議再開を否定「予定ない」

トランプ米大統領は前日、来週イランと協議する予定であると発言していた。
米国のウィトコフ中東担当特使(右)とイランのアラグチ外相(AP通信)

イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相は26日、現時点で米国との協議は予定していないと明らかにした。

アラグチ氏は国営イラン通信(IRNA)のインタビューで、「現時点で米国との協議は予定していない」と述べ、「我が国は米国との協議が自国の利益になるかどうかを評価している」と強調した。

トランプ(Donald Trump)米大統領は前日、来週イランと協議する予定であると発言していた。

アラクチ氏は米軍による核施設への攻撃について、「決して軽微ではない」とし、「関係当局は核開発プログラムの現状を認識しており、それは我が国の今後の外交姿勢に影響を与えるだろう」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

またアラグチ氏は今月予定していたトランプ政権との6回目の核協議が中止になったことについて、「米側との協議がイランの利益になるかどうかを慎重に検討している」とした。

イランとイスラエルは今週、トランプ氏が「12日間戦争」と呼ぶ空爆の応酬に終止符を打った。

米軍は22日、「ミッドナイトハンマー(真夜中の鉄槌)」と名付けた攻撃作戦を決行。イランの3つの核施設(ナタンツ、フォルドゥ、イスファハン)に対し、7機のステルス戦略爆撃機B2などを投入し、地中貫通型爆弾(バンカーバスター)GBU57をあわせて14発投下したと明らかにした。

イランはナタンツ、フォルドゥ、イスファハンの核施設が攻撃を受けたことを確認したが、被害は限定的と主張している。

この戦争により、6月15日に予定されていたイランと米国の6回目の核協議は中止になった。

米国はイランに核開発を放棄するよう求めている。

第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。

イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。

イランは5月時点で60%の濃縮ウランを408.6キログラム保有。国際原子力機関(IAEA)によると、これは核弾頭9発分に相当する。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用

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