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▽第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。
米国のウィトコフ中東担当特使(左)とイランのアラグチ外相(AP通信)

イランの代表団が12日、オマーンの首都マスカットで米当局と間接協議を行った。国営イラン通信(IRNA)が報じた。

それによると、協議は2時間半ほどで終了したという。イランはアラグチ(Abbas Araghchi)外相が、米国はウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が代表団を率いた。

イラン外務省はテレグラムへの投稿で、「両者はイランの核開発と制裁について、それぞれ政府の立場を伝えた」と明らかにした。

声明によると、会談は来週も継続され、両代表団はオマーン外相の立ち会いの下、数分間、直接話したという。

ホワイトハウスもウィトコフ氏とアラグチ氏が直接話したことを認め、「協議は非常に前向き・建設的であった」と述べた。

第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。

イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。イランは24年末の時点で60%の高濃縮ウランを200キログラム近く保有している。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用

イランは長い間、核兵器開発を否定してきた。しかし、イランはウラン濃縮を加速させ、兵器級とされる90%に近い60%の濃縮を続けている。

トランプ氏は1期目を通じて実践してきたイランに対する厳しい経済制裁を再開する大統領令に署名。イランの主要収入源である石油産業を標的とする制裁措置が発動した。

米エネルギー省の推計によると、イランの23年の石油輸出額は530億ドル、24年は540億ドルとなっている。24年中の生産量は18年以来最高水準となった。

トランプ氏は最初の任期中、厳しい制裁を科し、イランの石油輸出をほぼゼロに追いやった。イランはバイデン政権下で制裁逃れに成功、輸出量は増加した。トランプ氏はこれを再びゼロにするつもりでいる。

ホワイトハウスは声明の中で、「ウィトコフ特使はアラグチ外相に対し、可能であれば対話と外交を通じて両国の相違を解決するようトランプ(Donald Trump)大統領から指示を受けていることを強調した」と述べた。

またホワイトハウスは「この問題は非常に複雑であり、ウィトコフ特使とアラグチ外相の直接のやり取りは、互恵的な結果を得るための一歩となった」とした。

両者は19日に再び協議することで合意した。

米国はイランに核開発の放棄を迫っている。イランは平和利用であることを理由にこれを拒否し、米国に制裁を解除するよう求めている。

財務省は週末、制裁を回避して石油の密輸に使用しているイランの「影の船団」をターゲットとする新たな制裁措置を発表した。

イランの最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師は米国との直接協議を拒否し、イスラエルと連携して威圧的な行動を取ったり、軍事行動に出た場合は「致命的な結果を招く」と警告している。

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