◎パーティーに参加した140人以上が体調を崩し、少なくとも10人が死亡。4人が重体。
イランの首都テヘラン近郊で密造酒とみられるアルコールを飲んだ10人が死亡した。国営イラン通信(IRNA)が20日に報じた。
それによると、事件はテヘランの西方約40kmに位置するアルボルズ州で先週発生。メタノールで作った自家製酒を飲んだパーティー参加者が体調を崩したようだ。
IRNAは関係者の話しとして、「パーティーに参加した140人以上が体調を崩し、少なくとも10人が死亡。4人が重体」と伝えている。
イラン指導部は1979年の革命後、アルコール飲料の生産と消費を禁じた。その結果、アルコールの代替品としてエタノールが流行り始め、それにメタノールを加えた密造酒が出回るようになった。
IRNAによると、メタノールは自家製ビールに混ぜて飲まれることが多いという。
アルコールを飲んだ者は罰金刑およびむち打ち刑に処される。
イラン政府の統計機関によると、昨年密造酒を飲んで死亡した人は確認できているだけで644人、2021年比で30%増加となった。
メタノールを摂取すると臓器障害や脳障害を引き起こす。主な症状は胸痛、吐き気、過呼吸、失明、昏睡など。
イランでは密造業者が提供するアルコールによる同様の事件が時々報告されている。
ある学術機関は2018年9~10月における同国のメタノール中毒死について、確認できているだけで768人に達したと報告している。
またこの機関はパンデミック発生時、SNS上でメタノールを飲むとコロナウイルスを殺すことができるという誤った情報が拡散した結果、数百人が密造酒を飲み死亡したり病気になったりしたと報告している。