◎イラン指導部は1979年の革命後、アルコール飲料の生産と消費を禁じた。その結果、アルコールの代替品としてエタノールが流行り始め、それにメタノールを加えた密造酒が出回るようになった。
アルコール飲料(Getty Images)

イラン密造酒とみられるアルコールを飲んだ少なくとも26人が死亡した。国営イラン通信(IRNA)が3日に報じた。

それによると、北部のマーザンダラーン州、ギラン州、西部ハマダン州の複数の市や町でこの数日、密造酒とみられるアルコールを飲んだ男女26人が死亡したという。

IRNAは関係者の話しとして、「メタノールなどが入った密造酒を飲んだ数百人が急性アルコール中毒で入院した」と伝えている。

密造酒の出自は明らかになっていない。

イラン指導部は1979年の革命後、アルコール飲料の生産と消費を禁じた。その結果、アルコールの代替品としてエタノールが流行り始め、それにメタノールを加えた密造酒が出回るようになった。

多くのイラン人が密造酒を密造業者から買っている。また、個人的に楽しむために自宅でアルコールを作る人もいる。

メタノールを摂取すると臓器障害や脳障害を引き起こす。主な症状は胸痛、吐き気、過呼吸、失明、昏睡など。

イランでは近年、密造酒によるアルコール中毒が急増している。IRNAによると、2020年には700人以上が死亡した。

イランの闇市場では外国のアルコールも流通している。

専門家によると、同国には医薬品や洗浄剤を製造するアルコール工場が何十とあり、その一部で密造酒が製造されているとみられる。

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