イラン「米国が軍事行動に踏み切れば報復」反政府デモ激化
トランプ氏はイランのデモ参加者を支持すると公言し、「治安部隊が市民を弾圧した場合、非常に強力な行動を取る」と述べるなど軍事的な圧力を示唆しているが、具体的な計画については明言していない。
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イランの反政府デモをめぐる混乱が続く中、イラン政府は米国が軍事行動に踏み切れば中東地域にある米軍基地に報復攻撃を行う可能性があると周辺国に通告した。これを受けて米国は14日、同地域のいくつかの基地から安全確保のため一部兵員を撤収させる動きを見せており、中東情勢が一段と緊迫している。
ロイター通信によると、イラン高官は匿名を条件に記者団に対し、「米国がイランに対して軍事攻撃を行った場合には サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、トルコなどにある米軍基地を標的にする用意がある」と語った。これらの国々には米軍の重要拠点があり、特にカタールの空軍基地は米中央軍(CENTCOM)の前方司令部として機能している。イラン高官は「これらの地域の国々に対し、米国による攻撃を阻止するよう強く求めている」と説明した。
一方、米国防当局者は14日、中東の複数の基地から兵員や関係者の一部を「予防的措置」として撤収させていると明らかにした。これは、米国がイラン国内で続く反政府デモを巡り、トランプ(Donald Trump)大統領が介入を示唆する中で地域の安全リスクが高まっているとの判断に基づくものだという。米国の動きは一部の同盟国にも伝えられ、イギリスもカタールの基地から人員を引き揚げる方針とされる。ただし、撤収は大規模なものではなく、「姿勢の転換」にとどまるとの見方もある。
トランプ氏はイランのデモ参加者を支持すると公言し、「治安部隊が市民を弾圧した場合、非常に強力な行動を取る」と述べるなど軍事的な圧力を示唆しているが、具体的な計画については明言していない。米国とイラン政府の間で直接的な対話は現在停止しているとみられ、両国間の外交関係は一段と冷え込んでいる。
イラン国内では反政府デモが激化し、米国の人権団体HRANAは死者数が2600人に達したと報告している。この抗議は昨年末に始まった経済的困窮への抗議から発展し、指導部に対する広範な不満が噴出する事態となった。政府は治安部隊による取り締まりを強化し、多数の逮捕者も出ているとされる。
指導部はこうした抗議の拡大を受け、国際社会に対して「反乱はテロリスト勢力によるもの」と主張。米国やイスラエルが国内の不安を扇動していると非難している。また、イラン軍の幹部は「これまでに経験したことのない規模の破壊」と述べ、外部勢力の影響を強調した。
これに対し、フランス外務省は治安当局の対応を「耐え難く非人道的」と批判するなど、国際的な懸念が広がっている。地域諸国は米軍の動きやイランの警告に神経をとがらせ、事態の悪化を避けるべく外交的な調整を進めているが、中東情勢の緊張と混乱が解消する目途は立っていない。
