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イラン最高指導者「米攻撃なら地域紛争」、EU軍をテロ指定

米国は最近、中東への海軍戦力を強化、トランプ大統領はイランに核合意への復帰や反政府デモの弾圧停止を求める一方、「必要であれば行動する」と明言している。
2026年1月17日/イラン、首都テヘラン、最高指導者ハメネイ師(ロイター通信)

イランは1日、米国が自国に軍事攻撃を仕掛ければ中東全域を巻き込む地域紛争に発展すると警告した。最高指導者のハメネイ(Ali Khamenei)師はテレビ演説で、米国の軍事的脅威を前に「イランは戦争の火種を作らないが、攻撃されれば地域全体が戦場になる」と述べ、米国やその同盟国に対する強硬姿勢を示した。

これは、米国がイランに対する軍事的圧力を強めている中で発せられた声明である。米国は最近、中東への海軍戦力を強化、トランプ(nald Trump)大統領はイランに核合意への復帰や反政府デモの弾圧停止を求める一方、「必要であれば行動する」と明言している。米側は軍事オプションも排除していないと述べているが、一方で交渉への意欲も示している。トランプ氏は週末、「受け入れ可能な合意が成立し得る」と発言し、核兵器を持たない形での合意の可能性に言及した。

イラン側も対話の意思を示しているが、「公正かつ防衛能力を脅かさない条件のみ」と条件を付けている。米国とイランとの緊張は昨年末から続く抗議デモに対する弾圧が発端となっている。抗議は当初、経済状況への不満から始まったが、政治体制への批判へと広がり、歴史的な規模となった。当局はデモを力で抑え込み、これまでに数千人が死亡したとされるが、死者数をめぐる数字は大きく食い違っている。政府は抗議に関連した死者を3117人と発表したのに対し、人権団体は6713人の死亡を確認したと報告している。

こうした中、EUは先週、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)をテロ組織に指定することを決定し、対イラン制裁を強化した。これに対し、イラン国会は1日、EU加盟国の陸海空軍を「テロリスト集団」とみなすとの対抗措置を発表した。国会議長は演説で、欧州の軍事駐在武官の追放も検討すると述べた。また議長はEUの措置を「欧州自身の利益に反する誤った決定」と非難し、「この行動の結果は欧州側が負うべきだ」と強調した。議場では「米国に死を、ヨーロッパに恥を」とのスローガンが叫ばれた。

イラン政府はEU軍をテロリスト集団とする措置は象徴的なものであるとしつつも、西側諸国がイランの内政問題や安全保障に過度に介入しているとの認識を示している。また、同国の反政府デモを「クーデター未遂」と位置づけるなど、体制側の統制強化が進む中での外交・安全保障上の緊張が高まっている。米国はこれまで通り自国の軍事的プレゼンスを維持する構えを見せる一方、外交的解決も模索する姿勢を示しており、今後の動きが注目される。

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