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イランと米国、核協議を前に妥協の兆しほとんど見せず

両国は2月17日にスイス・ジュネーブで2回目となる核交渉を行う予定だが、強硬な姿勢は緩まず、外交的な進展にはなお大きな障害があるとの見方が強い。
2026年2月16日/スイス、ジュネーブ、イランのアラグチ外相と国際原子力機関のグロッシ事務局長(AP通信)

イランと米国は核問題を巡る協議を前に、歩み寄りの兆候をほとんど示していない。両国は2月17日にスイス・ジュネーブで2回目となる核交渉を行う予定だが、強硬な姿勢は緩まず、外交的な進展にはなお大きな障害があるとの見方が強い。

イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相は16日、ジュネーブで国際原子力機関(IAEA)のグロッシ(Rafael Mariano Grossi)事務局長と会談し、核技術の詳細な議論を行った。アラグチ氏はX(旧ツイッター)に「公平で公正な合意を達成するための実質的な提案を持って来た」と投稿したが、「屈服しない」とも強調した。イラン側は核開発プログラムについての議論には前向きだが、制裁解除が交渉の前提条件だと主張している。

一方、米国は核協議に軍事的圧力の強化を伴わせており、中東地域への空母打撃群の追加展開を指示するなど緊張が続いている。米側はイランの核問題だけでなく、弾道ミサイル能力や地域での影響力拡大も議題に含める姿勢を示しているが、イランは核以外の問題を交渉対象にすることに反発している。

イランの外務次官は英BBCのインタビューで、米国が制裁解除について真剣に議論する用意があるならば核問題についての妥協も検討すると述べ、「この交渉は米側の真摯さを証明することにある」と強調した。しかし、この発言は「米国が合意に本気かどうかを示せ」との条件付きで、具体的な妥協点の提示には至っていない。

米国のルビオ(Maro Rubio)国務長官も交渉について「合意を得るのは容易ではない」と述べ、イラン側の意思決定プロセスへの不信感を示した。ルビオ氏によると、イランの政治体制の特性が透明性や一貫性を欠き、交渉の進展を阻んでいるという。

これらのやり取りを背景に、金融市場にも影響が出ている。中東諸国の株式市場は米国とイランの緊張が続くとの見通しから値を下げ、投資家の警戒感を強めている。地域情勢が不透明なまま交渉が進んでいるとの懸念が背景にある。

交渉はオマーンが仲介し、間接協議形式で開催される予定。前回はオマーン・マスカットで行われたが、決定的な進展はなかった。2015年の核合意から米国が離脱したことやイラン核施設への攻撃などを経て、信頼関係は著しく損なわれている。交渉が再開されたとはいえ、双方は依然として激しく対立し、妥協点の欠如が鮮明になっている。

イランは自国の核開発計画は平和利用に限定されると主張するが、米国とイスラエルは核兵器開発の恐れを払拭するための包括的な制限を求める立場を崩していない。この隔たりを埋めることができるかが、今後の協議の成否を決する最大の鍵となっている。

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