イラン最高指導者が抗議デモに言及、米国の圧力を拒絶「退かない」
抗議は昨年末から複数の都市に波及し、経済困難に加え政治体制への不満も表面化している。
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イランの最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師は1月3日、国内で続く抗議デモと米国からの圧力を前にして、「一歩も退かない」と姿勢を示した。
国営イラン通信(IRNA)によると、ハメネイ師は3日の演説で、トランプ(Donald Trump)米大統領が抗議デモ参加者への支援を示唆したことに対して強く反発し、「敵」に屈しない決意を強調したという。
この発言は、急激なインフレや通貨リラの暴落に対する不満から国内各地で抗議が広がる中で行われた。抗議は昨年末から複数の都市に波及し、経済困難に加え政治体制への不満も表面化している。現地の人権団体や報道によると、これまでに10人以上が殺害され、多数の逮捕者が出ているとみられる。
ハメネイ師は演説で、経済的な苦境に対する不満は理解できるとしながらも、デモ参加者を「暴徒」と呼び、こうした勢力は「置き去りにすべきだ」と主張した。
またハメネイ師は「商人たちの不満は正当だが、暴徒との対話は無意味であり、彼らを所定の位置に戻すべきだ」と強調した。
当局は経済的要求を訴える平和的な抗議については対話で応じる姿勢を示す一方、暴力には催涙ガスや逮捕などの強硬手段で対応しているとされる。西部や南部の小都市では治安部隊と一部のデモ参加者が衝突し、治安要員数人と民間人が死亡したとの報道もあるが、詳細は不明である。
イランの抗議は2022年に発生したクルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんの死を契機とする大規模な反政府運動以来の規模となっている。今回の抗議は経済問題を主因としており、アミニ事件の時のような政治的スローガンも一部で見られるが、現時点でその規模や結束の度合いは異なると指摘されている。
一方、トランプ氏は抗議に関して「支援の用意がある」と発言し、具体的な行動は明確にしていないものの、イラン側はこれを外国の干渉として批判している。イラン政府はトランプ氏の発言を「内政干渉」と非難し、外部勢力の影響を排除する意向を強調した。
現在の抗議は、急速な経済悪化と生活苦が背景にあるとみられ、特に若年層や労働者の間で不満が広がっている。イラン経済は国際的な制裁や通貨価値の低下の影響で厳しい状況が続き、政府の統治能力に対する疑問も高まっている。ハメネイ師はこうした不満への対処を訴える一方で、国家の安定維持と反体制勢力への対処を最優先課題とする姿勢を示した。
国内での緊張が続く中、国際社会の関心はイラン情勢の今後の行方、特に抗議が政治体制そのものにどの程度の影響を与えるかに向けられている。政治的圧力と国民の不満が高まる中、イラン政府がどのような対応を取るかが注目されている。
