孤立するイラン、同盟国ロシアと中国の助けなし 米イラン紛争
今回の戦闘は2月末、米国とイスラエルがイラン国内の軍事施設や核関連拠点、政府中枢を標的に大規模攻撃を実施したことで急激に拡大した。
とイランのペゼシュキアン大統領(AP通信).jpg)
米国とイスラエルによる軍事攻撃を受けるイランが、国際政治の中で孤立を深めている。これまで戦略的に関係を強めてきたロシアや中国は攻撃を批判する姿勢を示しているものの、軍事的支援には踏み込まず、イランは実質的に単独で反撃を続ける状況に置かれている。
今回の戦闘は2月末、米国とイスラエルがイラン国内の軍事施設や核関連拠点、政府中枢を標的に大規模攻撃を実施したことで急激に拡大した。攻撃では首都テヘランを含む複数の施設が破壊され、最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師らが死亡した。これに対しイランは弾道ミサイルやドローンを用いた報復攻撃を行い、イスラエルや湾岸地域の米軍基地などを標的としている。戦闘は中東全域へ拡大し、地域の緊張が急速に高まっている。
しかし、イランにとって最大の問題は、主要な友好国から十分な支援を得られていない点である。ロシアと中国はいずれも米国とイスラエルの攻撃を国際法違反だとして非難し、停戦と外交的解決を求めているが、軍事介入には慎重な姿勢を保っている。中国の王毅(Wang Yi)外相は「武力は問題を解決しない」として戦闘停止を呼びかけたが、軍事支援には言及していない。
専門家の間では、ロシアはウクライナ戦争への対応で軍事資源に余裕がなく、中国も中東で米国と直接対立する事態を避けたい思惑があるとみられている。また両国とも地域のエネルギー市場や経済への影響を考慮し、慎重な対応を取っていると指摘される。
一方、戦闘の拡大は世界経済にも影響を及ぼしている。イランがホルムズ海峡周辺で船舶に警告を出したことで、原油輸送の要衝である同海峡の通航が不可能となり、世界の石油供給の2割に影響が出る可能性が指摘されている。エネルギー価格の上昇や物流の混乱も懸念される。
中東ではイランと関係の深い武装組織の動きも活発化し、紛争がさらに広がる可能性もある。外交的な停戦の道筋は依然として見えず、主要大国が直接介入を避ける中、孤立したイランがどのような戦略を取るのかが今後の地域情勢を左右する焦点となっている。
