イラン暴動、当局がインターネット遮断、追い詰められる指導部
この措置は1月8日夜に実施され、インターネットのトラフィックが急減し、国際電話やオンラインメディアへのアクセスも大きく制限されている。
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イランで経済的苦境に対する抗議運動が全国に拡大する中、当局が国内のインターネット接続を遮断し、国を外部の情報網からほぼ完全に切り離した。この措置は1月8日夜に実施され、インターネットのトラフィックが急減し、国際電話やオンラインメディアへのアクセスも大きく制限されている。英団体ネットブロックスによると、国内通信は実質的に「ゼロ」に近い状態となり、政府による情報統制の強化とみられている。
抗議デモは昨年12月下旬、通貨リアルの急落や物価高騰、失業率の上昇など深刻な経済問題に端を発し、首都テヘランをはじめ全31州に広がった。若年層を中心とする市民が路上に繰り出し、「死ね独裁者」など政権批判のシュプレヒコールを唱えた。いくつかの都市では建物や車両が焼かれるなど激しい抗議活動に発展し、数十人が死亡、治安部隊と市民の衝突で数千人が拘束されたとの報告もある。
この状況に対し、最高指導者のハメネイ(Ali Khamenei)師は国内向けの演説で、抗議者を「外国の影響を受けた破壊者」と非難し、政権は決して後退しないと強調した。ハメネイ師は特にトランプ(Donald Trump)米大統領を引き合いに出し、現地の抗議活動が外国勢力の策動であるとの見方を示した。また、これに先立ち政府は一部で価格統制や経済支援策を打ち出したが、抗議の勢いを収めるには至っていない。
政府のインターネット遮断は情報の外部流出を防ぎ、抗議活動の指導や連絡を困難にする狙いとみられるが、国内外から強い批判を受けている。人権団体はこの通信遮断を国民の基本的な情報アクセス権を侵害するものとして非難し、暴力的抑圧の懸念を指摘している。また、国際的な反応としてドイツ政府などがイラン当局に対し強い懸念を表明している。さらに、イラン外務省が「外国の軍事介入」の可能性は「極めて低い」と述べたという報道もある。
抗議運動は単なる経済への不満を超え、政治体制そのものへの不信感を露わにする大規模なものとなっている。デモには1979年のイスラム革命以前の王政復活を求める声も混じり、亡命中の元皇太子が抗議への参加を呼びかけたことが局面を一段と激化させたとの分析もある。こうした状況は、国内の政治的緊張を一層高める要因となり、今後の政権対応や国際的な影響にも大きな注目が集まっている。
