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米イラン核協議、エネルギー・鉱業・航空機分野の取り引きが議題に

イランはこれまで、米国が核合意から一方的に離脱し、制裁を再強化した2018年の状況を理由に、従来の核合意では自国に有利な条件が得られなかったと主張してきた。
イランの国旗(AP通信)

イラン政府は15日、米国との核問題を巡る協議に関連し、原油・ガスなどのエネルギー、鉱業、民間航空機の購入を含む経済分野での共同案件を協議の対象にする用意があると表明した。これは米側にも短期的な経済的利益をもたらす可能性がある分野であり、合意の持続性を高める狙いがあると説明した。

外務省の担当次官によると、両国の交渉は核合意再構築を前提としているが、2015年に成立した核合意(JCPOA)では米国に十分な経済的リターンがなかったとの認識がイラン側にあるという。そこで新たな枠組みでは、油田やガス田の共同開発、鉱業投資、航空機販売などの「共通利益」がテーブルに載っているという。

この発言は今週スイス・ジュネーブで予定されている米イラン間の核協議を前に出されたもので、イランと米国は数十年にわたる対立の解消と新たな軍事衝突の回避を目指し交渉を再開している。今回の交渉はオマーンの仲介で進められ、JCPOAのような多国間形式ではなく、二国間の取り引きとなる見込みだ。

米側はトランプ(Donald Trump)大統領が外交的解決を望んでいると明言しつつも、交渉が成功する保証はなく、必要に応じて軍事的対応や制裁を維持する姿勢も示している。ルビオ(Maro Rubio)国務長官は15日の記者会見で、「これまで有効な合意を結んだ例はないが、今回は取り組む用意がある」と述べた。

イランはこれまで、米国が核合意から一方的に離脱し、制裁を再強化した2018年の状況を理由に、従来の核合意では自国に有利な条件が得られなかったと主張してきた。今回の協議では、米側の経済的利益を明確化することで、合意の実行可能性を高める戦略を打ち出している。

核開発問題については、イランの外務次官が英BBCのインタビューで、米国が制裁解除の議論に真摯に取り組むなら譲歩もあり得るとの姿勢を示した。特にウラン濃縮活動については、高濃縮ウランを低レベルに希釈することも選択肢として検討可能だとしつつ、全てのウラン濃縮を停止する要求には応じない考えを重ねて示した。

一方で、米国は外交協議に伴い中東地域への軍事力を強化し、追加の空母打撃群を派遣するなど、交渉が決裂した場合に備えた布陣を進めているとの分析もある。またイスラエル政府は、いかなる合意でもイランの核インフラ全体の解体を求めるべきだと主張し、地域の安全保障への影響を強調している。

米国とイランの協議は中東の安全保障環境や国際経済にも広範な影響を及ぼす可能性がある。両国間で経済的なインセンティブと安全保障上の譲歩をどのように調整するかが、合意成立の鍵となる見込みである。

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