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イラン暴動沈静化か、弾圧続く、死者2500人超

抗議は物価高騰など経済的な困難を背景に12月28日に始まり、全国に広がったが、1月中旬までに主要都市では大規模なデモはほぼ見られなくなったという報告が出ている。
2026年1月11日/イラン、首都テヘラン、政府に抗議する人々(Getty Images/AFP通信)

イラン全土で昨年末から続く大規模な反政府デモは、治安部隊による激しい弾圧を経て沈静化の様相を見せている。現地メディアが16日に報じた。

抗議は物価高騰など経済的な困難を背景に12月28日に始まり、全国に広がったが、1月中旬までに主要都市では大規模なデモはほぼ見られなくなったという報告が出ている。

首都テヘランの住民はロイター通信の取材に対し、「ここ数日街は静まり返っている」と語り、ドローンによる監視が行われている一方で大規模な抗議の姿は見えなくなったと説明した。また、ノルウェーを拠点とするクルド系人権団体ヘンガウ(Hengaw)は、主要なデモが11日以降開かれていないとしながらも、多くの都市や町で厳しい軍・治安部隊の取り締まりが続いていると明らかにした。

一方で、完全な沈静化とは言い切れず、断続的な衝突や小規模な抗議が続いているとの報告もある。中部地方では教育事務所が放火されるなどの混乱があり、国軍による発砲で看護師が死亡したとの未確認情報もある。こうした地域では依然として緊張が残る。

抗議の広がりは、これまでのイラン国内の動乱を上回る規模と激しさだったとされ、米国を拠点とする人権団体HRANAは、これまでの死者数を2677人と報告している。イラン当局者は先に約2000人が死亡したと述べており、いずれにしても過去の抑圧事例を上回る規模の犠牲となっている可能性がある。

イラン当局は抗議を「外国勢力の扇動」と主張し、治安部隊に強硬な対応を命じたとされる。治安当局側は国内各地で多くのデモ指導者らの逮捕を進めており、反政府勢力と見なされる人物に対する取り締まりを継続していると国営メディアが報じている。

国際社会もこの状況を注視している。米国はイランに対し「重大な結果」を警告しつつ、地域への軍事的プレゼンスを強化している。また、米財務省はデモ弾圧に関与したイランの治安当局者に制裁を科すなど圧力を強めている。デモに関連する死者数や人権侵害に対して、欧米諸国は非難を強めている。

こうした中でもインターネット遮断や情報統制が続いており、正確な情勢把握は困難なままだ。住民らは今後の動きに強い不安を抱きつつ、かつてない規模の抗議がどのような影響を国内政治に与えるかを見守っている。抗議そのものが沈静化したように見える一方で、抑圧の継続と緊張状態は依然として解消されていない。

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