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イラン国連大使「ホルムズ海峡を封鎖する計画ない」発言に食い違いも


ホルムズ海峡はペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ世界有数の海上輸送路で、世界の石油輸送の2割が通過する戦略的要衝である。
2026年3月11日/ペルシャ湾に停泊するLNGタンカー(ロイター通信)

イランのイラバニ(Amir Saeid Iravani)国連大使は12日、記者団に対し、イランが中東の重要海上交通路であるホルムズ海峡を封鎖する計画はないと表明した。一方で、同海域の安全と平和を守る権利はイランにあると強調し、地域の緊張の原因は米国の行動にあると非難した。

ホルムズ海峡はペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ世界有数の海上輸送路で、世界の石油輸送の2割が通過する戦略的要衝である。この2週間で米イスラエルによる軍事行動と、それに対するイランの報復措置により地域情勢が急速に悪化し、海峡の封鎖や船舶攻撃の可能性が国際社会の懸念となっている。

イラバニ氏は「イランはホルムズ海峡を閉鎖するつもりはない」と述べる一方、「この水路の平和と安全を守ることはイラン固有の権利だ」と指摘した。また、イランは国際法に基づく航行の自由の原則を尊重しているとも説明した。

ただし今回の発言は、イラン指導部内で示された強硬な姿勢と食い違う側面もある。3代目の最高指導者となったモジタバ・ハメネイ(Mojtaba Khamenei)師は同日、ホルムズ海峡の封鎖を政治的な圧力手段として利用するとの考えを示し、国際社会ではイランの対応を巡り警戒感が高まっている。

米側は状況次第では米海軍や国際的な連合軍がタンカーなどの船舶を護衛しながら海峡を通過させる可能性にも言及している。これに対しイラバニ氏は直接的なコメントを避けた。

イラン指導部は現在の地域情勢について、米国による攻撃や圧力が不安定化を招いたと主張している。一方で西側諸国はイランの軍事行動や海上活動がエネルギー輸送を脅かしているとして強く批判している。

世界のエネルギー供給に直結するホルムズ海峡の安全確保は国際経済にとって極めて重要であり、イランと米国、さらには周辺国の動向が今後の海上輸送や原油市場に大きな影響を与える可能性がある。緊張が続く中、イランの発言と実際の行動の行方が注目されている。

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