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イラン暴動、最高指導者ハメネイ師が米国を非難、緊張高まる

この抗議は12月28日に首都テヘランのバザールで始まり、経済の悪化と通貨リアルの急落に対する不満から広がった。
2026年1月9日/イラン、首都テヘラン、政府に抗議する人々(Getty Images/AFP通信)

イランで大規模な抗議デモが続く中、最高指導者のハメネイ(Ali Khamenei)師は9日、デモ参加者を「破壊者」や「ならず者」と断じ、これらの反乱勢力がトランプ(Donald Trump)米大統領を喜ばせるために行動していると主張した。

この抗議は12月28日に首都テヘランのバザールで始まり、経済の悪化と通貨リアルの急落に対する不満から広がった。やがてデモは全国各地へ波及し、政治体制の批判やイスラム共和国の終焉を求める声が強まっている。

複数の人権団体によると、抗議活動は過去数年で最大規模に達し、50人近くの参加者が死亡、数千人が拘束されたという。政府はインターネット通信を全面的に遮断し、情報の流出を抑えようとしている。

この状況を受けてハメネイ師は、デモ参加者が公共の建物を破壊するなどの行為に及んでいることを挙げ、「昨夜テヘランやほかの地域でならず者たちが現れ、自国の建物を破壊し、米国大統領を喜ばせた」と述べた。また、イスラム共和国が何十万人もの「名誉ある人々」の血によって権力を握った歴史を強調し、「体制は外国勢力の影響に屈しない」と断言した。

ハメネイ師は、抗議者を「外国のために働く傭兵」と呼び、国家の統一を呼びかけた。司法長官も抗議者に対する処罰は「決定的かつ最大限のものになる」と強調し、政府側の姿勢の強硬さを示した。政府はデモ参加者が暴力的な破壊行為に関与していると主張し、それを理由に厳しい対応が必要だと説明している。

一方で、トランプ氏はデモを支持する意向を表明し、当局が抗議者に対して暴力的に対応した場合には「非常に厳しい制裁」を科す可能性があると警告している。これに対しハメネイ師はトランプ氏の発言を批判。「自国の問題に目を向けるべきである」と述べた。国際社会ではデモの激化と情報遮断に懸念が広がっており、欧州諸国などがイラン政府に対して表現の自由を尊重するよう呼びかけている。

人権団体や国際メディアは、通信遮断のために現地での正確な情勢の把握が困難であると指摘しているものの、各地で多くの市民が抗議行動を続けているとの映像や報告が伝えられている。デモは経済的不満から始まり、現在では政治体制の改革や変革を求める運動へと広がりつつある。イランの国内情勢は一段と不安定さを増している。

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