イラン外相、ウラン濃縮の権利を主張、米国との協議続く
イランと米国は先週、オマーンを舞台に非公式の協議を行い、外交再開の可能性を探ったが、イランの核政策の核心であるウラン濃縮問題をめぐる溝は依然として残っている。
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イラン政府は8日、核開発をめぐる米国との交渉において、ウラン濃縮の権利を譲ることは決してないとの立場を改めて強調した。イランと米国は先週、オマーンを舞台に非公式の協議を行い、外交再開の可能性を探ったが、イランの核政策の核心であるウラン濃縮問題をめぐる溝は依然として残っている。今回の発言は両国の対立が緩和しつつあるという見方を背景に出たものの、信頼醸成と緊張緩和の間での綱引きが続いていることを示している。
イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相は8日、ウラン濃縮について「ゼロ濃縮を受け入れることはあり得ない」と明言し、濃縮活動がイラン国内で継続されることを核交渉成功の前提条件とする考えを示した。またアラグチ氏は濃縮活動が「平和目的のためであり続ける」という信頼構築を進める意向を示しつつも、その権利自体は国際的な交渉の対象外であると強調した。
アラグチ氏はウラン濃縮のレベルや純度については議論の余地があるものの、濃縮そのものを放棄することはないと述べた。イラン側は濃縮の権利を国際原子力機関(IAEA)や核拡散防止条約(NPT)に基づいた正当な権利と位置付け、国の独立と尊厳に深く関わる問題だと主張している。外相は「誰もイラン国民に対して何を持つべきかを命令する権利はない」と語った。
米側は濃縮活動を制限することで核兵器への道筋を断つことを重視しており、過去の交渉でもこの点が最大の対立点になってきた。2025年に行われた複数回の核交渉は主に濃縮問題をめぐる合意の欠如により停滞した経緯がある。米国は濃縮活動の制限や監視強化を求める一方、イランはこれを自身の核政策の核心であり、平和利用として容認されるべきだと主張している。
両国が先週オマーンで開いた非公式協議では、ウラン濃縮の権利やその平和利用をめぐる議論が持ち上がった。イラン側は濃縮レベルの範囲や監視体制、さらには経済制裁の緩和を交換条件とする用意があることも示唆し、協議を進める意欲を見せている。だが、濃縮そのものを交渉の前提から外すことはないと主張しているため、最終的な合意への道筋は依然不透明だ。
イランのペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)大統領もX(旧ツイッター)への投稿で、米国との協議が「前進の一歩」と評価すると同時に、NPTに基づく権利を尊重すべきだとの考えを表明した。次回の協議の日程や場所はオマーン当局と調整中で、首都マスカット以外の都市で開催される可能性も取り沙汰されているという。
今回のイランの姿勢は核協議を通じて信頼関係を築きつつも、自国の核政策の根幹を守るという二重の目的を反映している。専門家は双方が妥協点を見いだせなければ交渉は膠着状態に陥る可能性が高いと指摘しており、中東の安全保障環境や地域の緊張にも影響を与えかねないと警戒感を示している。
