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イラン革命防衛隊「ホルムズ海峡に接近する軍艦攻撃する」


IRGCは国営メディアを通じて発表された声明で、「いかなる軍用艦艇であっても海峡に接近すれば停戦違反と見なす」とし、「断固として厳しい対応を取る」と強調した。
ホルムズ海峡のイメージ(Getty Images)

イランの革命防衛隊(IRGC)は4月12日、ペルシャ湾の要衝ホルムズ海峡に接近する外国の軍艦について、停戦合意への違反と見なすとの強い警告を発した。米国との間で成立している2週間の停戦が揺らぐ中、海峡を巡る軍事的緊張が一段と高まっている。

IRGCは国営メディアを通じて発表された声明で、「いかなる軍用艦艇であっても海峡に接近すれば停戦違反と見なす」とし、「断固として厳しい対応を取る」と強調した。ホルムズ海峡は依然としてイラン側の管理下にあるとし、非軍事船舶については一定の条件のもとで航行を認める姿勢を示している。

この警告の背景には、米国による軍事的動きがある。トランプ(Donald Trump)大統領は12日、ホルムズ海峡について、「米海軍による封鎖を開始するよう命じた」と明らかにした。これはイランとの和平交渉が決裂したことを受けた措置である。

米中央軍(CENTCOM)は同日までに、機雷除去作業の準備の一環として複数の軍艦を海峡に派遣したと明らかにしており、実際に駆逐艦が海峡を通過したことも確認されている。 こうした行動に対し、イラン側は主権侵害であり停戦合意に反すると反発していた。

両国は先週、パキスタンの仲介により2週間の停戦に合意していた。この合意にはホルムズ海峡の航行再開や軍事行動の停止などが含まれていたが、その後も双方の不信感は払拭されていない。イランは海峡の管理権を主張し、通過する船舶に対して条件や通行料を課す姿勢を崩していない一方、米国は「航行の自由」を掲げて軍の関与を強めている。

さらに、トランプ氏が海峡封鎖を指示するなど強硬姿勢を強めていることも緊張を高める要因となっている。これに対しIRGCは軍事的圧力には対抗措置で応じるとし、全面戦争のリスクが高まっている。

ホルムズ海峡は世界の原油輸送の2割が通過する戦略的要衝であり、その安全性は国際経済に直結する。この紛争が始まって以降、海峡の通航は大幅に制限され、エネルギー市場や海運業に深刻な影響が出ている。停戦発効後も完全な正常化には至っておらず、保険料の高騰や航路変更などが続いている。

今回の警告は形式上は停戦状態にあるにもかかわらず、現実には極めて不安定な状況が続いていることを示している。軍艦の接近一つで全面戦争に発展しかねない緊張状態の中、外交的な打開が見いだせるかは依然として不透明である。

中東情勢は局地的な軍事行動が世界経済に直結する構造を持つ。ホルムズ海峡を巡る米国とイランの対立はその典型例であり、今後の対応次第では停戦の崩壊やさらなる軍事衝突へと発展する可能性も否定できない。国際社会は引き続き、事態の推移を注視している。

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