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イラン外相、ロシアとベラルーシを訪問へ、さらなる関係強化模索

アラクチ氏は両国の首脳らと会談し、二国間関係の強化や地域・国際情勢を巡る協議を行う予定だという。
イランのアラグチ外相(Getty Images/AFP通信)

イラン外務省は14日、アラグチ(Abbas Araghchi)外相が今後2~3日以内にロシアとベラルーシを相次いで公式訪問すると発表した。

それによると、アラクチ氏は両国の首脳らと会談し、二国間関係の強化や地域・国際情勢を巡る協議を行う予定だという。今回の訪問は両国との外交・政治連携を深める狙いがあるとみられる。

外務省の報道官は声明で、まずベラルーシを訪問し、ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領や国外らと会談する意向を示している。またロシア訪問ではラブロフ(Sergey Lavrov)外相らと意見交換を行い、両国間の幅広い課題について協議する見通しだとしている。これには政治・経済・安全保障問題のほか、核問題を含む国際的な懸案が含まれる可能性があると報じられている。

今回の発表はイランのペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)大統領が先週、トルクメニスタンでプーチン(Vladimir Putin)露大統領と会談した直後に出されたものであり、イラン政府がロシアとの関係を重視していることを示している。

両首脳はこの会談で政治的・経済的協力や地域情勢について意見交換を行い、協力強化の必要性を確認していた。

イランは欧米諸国による制裁や地域の緊張が続く中、ロシアや旧ソ連構成国との関係を深化させることで国際的な立場を強化しようとしている。ベラルーシとの関係についても、これまで観光ビザ(査証)免除や直行便開設を含む協力拡大の合意が交わされるなど、両国は経済・文化面でも結びつきを強めてきた経緯がある。こうした動きはイランが西側との関係悪化の影響を緩和し、多極的な外交ネットワークを構築しようとする戦略の一環とみられている。

アラクチ氏は過去にも複数の外交訪問を通じて中東や欧州、アジアの主要国と連携を模索しており、今回の訪問でも地域の安全保障、経済協力、エネルギー政策など幅広い課題が議題になると予想される。また、核開発問題や中東情勢に関してロシアやベラルーシと意見交換を行うことで、イランは国際社会における立場を強化する狙いもあるとみられている。

報道官は声明の中で、訪問が「両国関係の発展に貢献する」と強調したが、具体的な協議内容や日程の詳細については明らかにしていない。

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