SHARE:

イラン革命防衛隊、密輸燃料積んだタンカー船舶2隻を拿捕

ペルシア湾は国際的な石油輸送の要衝として知られる。
イラン革命防衛隊の巡視艇(Getty Images/AFP通信)

イラン革命防衛隊(IRGC)がペルシア湾で密輸燃料を積んでいたとされる2隻のタンカーを拿捕した。国営イラン通信(IRNA)が5日に報じた。それによると、押収されたタンカーには合わせて100万リットルを超える密輸燃料が積載され、乗組員の外国人15人が連行されたという。今回の措置について、IRGCは詳細を明らかにしていないが、長期にわたる監視や追跡の結果、船舶を特定・拿捕したとしている。

ペルシア湾は国際的な石油輸送の要衝として知られる。イラン当局はこのタンカーが「組織的な燃料密輸ネットワークの一部」として活動していたと主張しており、船舶と乗組員は司法手続きに付される見込みだ。船舶の国籍や乗組員の出身国については公表されていない。

イランでは国内燃料価格が世界でも最低水準に抑えられていることから、国境を越えた燃料密輸が長年の問題となっている。燃料価格と通貨価値の低迷による価格差が、近隣諸国での再販売による不正利得の誘因となり、国家財政への損失は年間数十億ドル規模に上るとの指摘もある。こうした背景から、イラン当局は陸路・海路双方で密輸摘発を強化してきた。

今回の拿捕は最近の密輸摘発活動の一環とみられる。昨年12月には別のタンカーがアラビア湾で約400万リットルの密輸燃料を積んでいたとして拿捕され、乗組員16人が拘束されたとする報道があったほか、同じく昨年末にはオマーン湾で600万リットル相当の密輸ディーゼル燃料を積んだ外航船が押収されたとの報告もある。いずれの例でも、乗組員はインドやスリランカ、バングラデシュなど複数の国籍であったとされる。

イラン政府は燃料密輸対策を国内経済政策の一環と位置付け、断続的に取り締まりを進めている一方で、国際的には緊張緩和や外交対話の動きも見られる。米国や地域各国との関係は依然として複雑であり、ペルシア湾の安全保障と海上交通の自由を巡る問題は国際的な関心事となっている。今回の拿捕が地域情勢や国際社会との関係にどのような影響を及ぼすか、今後の動向が注目される。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします