イランはホルムズ海峡の通航を数か月間妨害できる、機雷設置も
情報機関や軍事アナリストはイランが大量のドローンを継続的に投入できる能力を持つことから、世界の石油・天然ガス輸送に長期的なリスクをもたらすとの見通しを示している。
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中東での紛争が激化する中、イランによるドローン攻撃がペルシャ湾の要衝であるホルムズ海峡の通航を数カ月にわたって混乱させる可能性があるとの見方が専門家から出ている。情報機関や軍事アナリストはイランが大量のドローンを継続的に投入できる能力を持つことから、世界の石油・天然ガス輸送に長期的なリスクをもたらすとの見通しを示している。
ロイター通信によると、米国とイスラエルによるイランへの攻撃を受けて、イランは湾岸諸国や米軍の同盟国を標的に数百発のミサイルと1000機以上の自爆ドローンを発射した。多くは防空システムにより迎撃されたものの、住宅や商業施設、軍事基地など複数の標的に被害が出ている。
イランはドローンの主要生産国であり、イギリスの研究団体によると、月産1万機規模の生産能力を持つという。これは同国が長期にわたり攻撃能力を維持しうることを示す数字だとしている。一方、ミサイルの在庫については正確な把握が困難で、推計は2500発から6000発程度と幅がある。
ホルムズ海峡はオマーンとの間に位置し、世界の原油と液化天然ガス(LNG)の20%が通過する極めて重要な海路である。この海峡をめぐる混乱は既に海運の停滞を招いており、複数の商船やタンカーが攻撃を受けた結果、通航は事実上ほぼ停止状態に陥っている。
この状況はエネルギー市場にも強い影響を及ぼしている。ブレント原油価格は先週から大幅に上昇し、欧州の天然ガス価格も急騰した。専門家は、供給網が不安定化することで世界的な物価やエネルギーコストの上昇圧力が強まると指摘する。
もしイランがドローンやミサイルの在庫を使い果たした場合、次に想定される長期的な脅威は「機雷」である。海洋リスク情報会社「ドライアド・グローバル」によると、イランは5000〜6000基の機雷を保有し、これをホルムズ海峡に設置すれば除去に数カ月を要し、通航再開の遅れがさらに長引く可能性があるという。
専門家はイランが商船の安全確保を困難にし、保険料や輸送コストを押し上げることで、実質的に海峡の機能を低下させる戦略を取っていると分析している。米国はイランのミサイルやドローン基地を優先して攻撃対象とし、脅威の除去を図っているが、停戦や緊張緩和の目途は立っていない。
こうした状況は中東情勢のみならず、世界経済にも重大な影響を及ぼすリスクがあり、国際社会はさらなる混乱の長期化に備える必要がある。
