イラン、米国から強制送還された自国民55人受け入れ
イラン外務省の報道官は7日、米国側の送還措置を「政治的動機と反移民政策に基づくもので、国際法に反する行為」と強く非難した。
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イラン政府は7日、米国から強制送還されたイラン国民55人が近日中に帰国する見通しであると明らかにした。これはトランプ(Donald Trump)米大統領の移民政策にともなう2回目の送還である。
この動きは9月に約400人とされる対象者のうち、最初の便で120人が送還され、カタール経由で首都テヘランに到着したのに続くもの。今回の55人は第2便にあたる。
イラン外務省の報道官は7日、米国側の送還措置を「政治的動機と反移民政策に基づくもので、国際法に反する行為」と強く非難した。
今回の送還は両国間に正式な外交関係がない中で行われた。外務省報道官は、「連絡は両国の代表事務所あるいは第三国を介して行われた」と説明。核問題をめぐり対立が続くイランと米国とのあいだで、人道的・移民政策の面でまれな“協力”の形となっている。
また同報道官はワシントンDCで6日に行われたFIFAワールドカップ抽選会に出席するためにイラン代表団のビザ(査証)を9件申請したにもかかわらず、米国側が認めたのは4件のみだったとして抗議を表明。送還問題だけでなく、ビザ発給の制限を通じて広範な圧力がかかっていると非難した。
こうした事態は移民や政治・外交の枠を越えて、両国の関係の複雑さを改めて浮き彫りにしている。米国による移民政策が厳格化する中、その影響がイラン人をはじめとする外国籍の人々に及び、両国間の緊張や人権問題が新たな局面を迎えている。
