イラン当局、米イスラエルのスパイ数十人逮捕=国営メディア
今回の逮捕は米イスラエルとの軍事衝突が続く中で発表された。
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イラン当局は米国やイスラエルと関係するスパイ活動に関与した疑いがあるとして、外国人1人を含む数十人を逮捕した。国営イラン通信(IRNA)が10日に報じた。これは米国とイスラエルとの軍事的緊張が高まる中での大規模な治安取り締まりとみられている。
IRNAによると、情報省は外国人1人が米国とイスラエルのために諜報活動を行っていた疑いがあるとして拘束したと明らかにした。この人物の国籍や身元は公表されていないが、同省は「米国とイスラエルのためにスパイ活動を行い、さらに湾岸地域の2カ国の代理としても活動していた」と主張している。
同省によると、ここ数日の間に米国とイスラエルに関係する「スパイや内部協力者、工作員」など計30人が拘束されたという。これとは別に、国家警察の長官は国営テレビのインタビューで、敵対勢力や外国メディアに国内情報を提供した疑いでこれまでに81人が拘束されたと語った。ただし、詳細や証拠は明らかにしていない。
今回の逮捕は米イスラエルとの軍事衝突が続く中で発表された。2月28日に米イスラエルがイラン国内の標的に大規模な空爆を仕掛け、最高指導者や複数の軍幹部を殺害した。これを受け、イランは報復として米軍基地を抱える湾岸諸国などに対してミサイル・ドローン攻撃を行い、地域の緊張は急速に高まっている。
イランではこれまでも外国人や二重国籍者がスパイや国家安全保障関連の罪で拘束される事例が繰り返されてきた。特にイスラエルや米国と関係する諜報活動の疑いを理由に逮捕されるケースが多いとされる。
一方、人権団体などは、こうした逮捕の一部について、政治的な目的がある可能性を指摘している。外国人や二重国籍者を拘束し、外交交渉での圧力材料として利用しているのではないかという批判も出ている。ただしイラン政府はこうした指摘を否定し、国家安全保障を守るための正当な措置だと主張している。
また、現在の戦時状況の中でイラン国内では治安体制が強化されており、外国との関係を疑われる市民への監視や取り締まりも強まっているとみられる。専門家の間では、軍事衝突の長期化に伴い、政府が国内の情報統制や反体制活動の抑え込みをさらに強化する可能性があるとの見方も出ている。
イラン当局は拘束された人々の捜査を続けるとし、今後さらに逮捕者が増える可能性もある。米イスラエルとの対立が続く中、国内の治安対策と情報戦の行方が注目されている。
