◎カーン氏は今年5月、パレスチナ・ガザ地区への侵攻を続けるイスラエルの首相、国防相、イスラム組織ハマスの最高指導者の逮捕状を請求した。
国際刑事裁判所(ICC)のカーン(Karim Khan)主任検察官が1年以上に渡って女性補佐官に性的関係を強要し、補佐官の意思に反して性器に触れたという告発に直面している。
カーン氏は今年5月、パレスチナ・ガザ地区への侵攻を続けるイスラエルの首相、国防相、イスラム組織ハマスの最高指導者の逮捕状を請求した。
報道によると、カーン氏の女性補佐官は1年以上にわたって性的関係を強要され、自らの意思に反して身体を触られたり、スカートの中に手を入れられたと告発したという。
カーン氏は告発をきっぱりと否定。AP通信はこの問題に詳しい関係者の話しとして、「イスラエルの情報機関による中傷キャンペーンの一環としてなされた可能性がある」と伝えている。
カーン氏の情勢補佐官は関係を迫られていると同僚の女性2人に打ち明け、この2人が不正行為の疑いでICCの独立監視団に報告。カーン氏本人が尋問されることはなかった。
APは被害を受けたとされる女性に近い人物の話しを引用。「補佐官が告発に消極的だったのは、ICCの独立監視団に対する不信感からであり、彼女はICCを監督する加盟国組織に外部調査を開始するよう要請した」という。
この問題に詳しいICC関係者はこの要請が事実であることを認めている。
ICCで働く女性職員の多くが告発を肯定的に見ているようだ。
APの取材に応じたある女性職員は、「軽い気持ちだったという言い訳は通じない」と語った。
ICCの独立監視団はカーン氏の疑惑に関する明確な答えを出していないが、それでも全職員の権利を守り、ICCの完全性を守るため、女性との接触を最小限にするようカーンに求めたという。
カーン氏がこれにどのように返答したかは分かっていない。
監視団がこの疑惑を棚上げにしてから数日後の5月20日、カーン氏はイスラエル首相らの逮捕状を請求した。現在、3人の裁判官で構成されるICCパネルが逮捕状を発行するかどうかを検討している。