◎レバノン政府は国際社会に対し、シリア難民の帰還を支援するよう長年求めてきた。
レバノン、首都ベイルート(Hussein Malla/AP通信)

レバノン北東部の町で生活していたシリア難民300人以上が14日、自発的に帰国した。

AP通信によると、一部の難民は護送車に乗せられ、アサド政権が統治する地域に向かったという。

レバノン政府は国際社会に対し、シリア難民の帰還を支援するよう長年求めてきた。

地元メディアによると、複数の野党がシリア難民の帰還を求める声を強めているという。

イランの支援を受けるイスラム教シーア派組織ヒズボラもシリア難民の送還を進める取り組みに賛成している。

レバノンの人口は約600万人。政府によると、同国が受け入れているシリア難民は約78万人。さらに40万~50万人の未登録難民が生活している。

北東部の町アルサルでは14日、シリア難民がトラックや車の荷台に荷物を積み込み、治安当局が国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が発行したカードやその他書類を回収、出国を許可した。

レバノンでは欧州を目指す移民の数が急増。その多くが人身売買組織に金を払って船でキプロスに渡ったり、陸路でギリシャを目指している。

UNHCRは十分な情報を提供したうえでの自発的な帰国を支援するとしている。

しかし、レバノンで反移民感情が高まる中、主要な人権団体は治安当局が自発的な帰国を促しているという報告に懐疑的な見方を示している。

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