イエメン・フーシ派、撃沈した貨物船の乗組員10人救助と主張

エタニティCは7月7日午後、フーシ派の高速艇から発射された海上ドローンやロケット弾による攻撃を受けた。
2025年7月9日/イエメン沖、フーシ派の攻撃を受け沈没するリベリア船籍の貨物船エタニティC(ABCニュース)

イエメンの親イラン武装組織フーシ派は28日、今月初めに紅海で撃沈したリベリア船籍の貨物船「エタニティC」の乗組員10人を救助したと発表した。

エタニティCは7月7日午後、フーシ派の高速艇から発射された海上ドローンやロケット弾による攻撃を受けた。

紅海で海洋安全保障活動を展開するEUの海軍部隊アスピデスは乗組員少なくとも4人が死亡し、11人が行方不明になったと報告。2つの民間警備会社が行方不明者を捜索したが、今月中旬に打ち切っていた。

フーシ派は6日にもリベリア船籍でギリシャの会社が所有するばら積み船「マジック・シーズ号」を攻撃、撃沈している。

マジック・シーズ号の乗組員は全員救助された。

エタニティCには船員22人と警備員3人が乗船。10人が救助され、うち8人はフィリピン国籍の船員、2人は警備員(ギリシャ人とインド人)であった。

ロイター通信は以前、情報筋の話しとして、「フーシ派の攻撃艇が10人を救助し、どこかに連れ去った」と報じていた。

フーシ派は28日に6分間の動画を公開。10人の船員の写真と、その一部が家族と連絡を取っている様子が映っていた。

またフーシ派は船員たちの話しを引用し、「フーシ派がイスラエルの港へ向かう船舶に航行禁止令を出していたことを知らなかったと証言した」と主張した。

エタニティCはイスラエルの港で肥料を積みこみ予定であった。

フーシ派は27日、イスラエルと取引を行う企業が所有する船舶を、その国籍を問わず標的とすると表明した。

フーシ派は23年10月にガザ紛争が始まって以来、イスラエル領内だけでなく、紅海やアデン湾の船舶を数百回攻撃してきた。

この間、フーシ派は4隻の船舶を沈没させ、1隻をシージャックし、少なくとも8人の船員を殺害した。この攻撃は世界の海運を混乱させ、多くの企業がアフリカ南部喜望峰を周回する、より長く、より費用がかかる航路への変更を余儀なくされた。

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