紅海で貨物船沈没、フーシ派の攻撃で4人死亡、11人行方不明=EU海軍部隊
フーシ派は23年10月にガザ紛争が始まって以来、イスラエル領内だけでなく、紅海やアデン湾の船舶を数百回攻撃してきた。
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紅海で海洋安全保障活動を展開するEUの海軍部隊アスピデスは11日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派の攻撃を受け沈没したリベリア船籍の貨物船「エタニティC」の乗組員少なくとも4人が死亡し、11人が行方不明になっていると明らかにした。
エタニティCは7日午後、フーシ派の高速艇から発射された海上ドローンやロケット弾による攻撃を受けたとされる。
エタニティCには船員22人と警備員3人が乗船していた。
アスピデスの最新情報によると、エタニティCは9日に沈没。部隊が行方不明者の捜索を続けているという。
またアスピデスはこれまでに10人が救助されたと明らかにした。
そのうち8人はフィリピン国籍の船員、2人は警備員(ギリシャ人とインド人)であった。
アスピデスは報告書の中で、「15人が行方不明のままとなっており、そのうち4人は死亡したと推定されている」と述べた。
またアスピデスは紅海を航行する全ての船舶に警戒を強化するよう注意喚起しているとした。
フーシ派は一部の船員を拘束していると主張している。イエメンの在米国大使館(サウジが運営)はフーシ派が船員を拉致したと報告しているが、真偽は不明だ。
フーシ派は6日にもリベリア船籍でギリシャの会社が所有するばら積み船「マジック・シーズ号」を攻撃、撃沈した。
マジック・シーズ号の乗組員は全員救助されている。
フーシ派は23年10月にガザ紛争が始まって以来、イスラエル領内だけでなく、紅海やアデン湾の船舶を数百回攻撃してきた。
この間、フーシ派は4隻の船舶を沈没させ、1隻をシージャックし、少なくとも8人の船員を殺害した。この攻撃は世界の海運を混乱させ、多くの企業がアフリカ南部喜望峰を周回する、より長く、より費用がかかる航路への変更を余儀なくされた。
フーシ派は3月、イスラエル軍がガザ地区への攻撃を再開したことを受け、紅海やアラビア海、アデン湾などを通過するイスラエル船舶への攻撃を再開すると主張。トランプ米政権はこれを受け、フーシ派に対する軍事作戦を開始した。
米中央軍(CENTCOM)は3月15日にフーシ派への攻撃を開始し、首都サヌアやホデイダなどを1000回以上空爆。フーシ派は300人近くが死亡したと報告している。
トランプ政権は5月初め、フーシ派への空爆を停止した。