◎フーシ派による紅海・アデン湾への無差別ミサイル攻撃で死者が出たのは昨年10月にガザ紛争が始まって以来初。
イエメンのシーア派武装勢力フーシがアデン湾の貨物船にミサイルを撃ち込み、乗組員3人が死亡した。米当局が6日、明らかにした。
それによると、攻撃を受けたバルバドス船籍の貨物船ではこの攻撃後、火災が発生。乗組員は船を放棄したという。
米中央軍(CENTCOM)は声明で、「この船は現地時間午前11時30分頃にフーシ派の攻撃を受けた」と明らかにした。
イラン政府の支援を受けるフーシ派はイスラエル軍がパレスチナ・ガザ地区から撤退するまで紅海の貨物船を攻撃し続けると宣言している。
CENTCOMはSNSに声明を投稿。「このミサイル攻撃で乗組員3人が死亡、少なくとも4人が負傷した」と発表した。
またCENTCOMは「フーシ派が何の罪もない船員の命を奪い、世界貿易を混乱させている」と非難した。
フーシ派の報道官は6日、この貨物船が勧告を無視して航行を続けたため、テロ勢力の船と判断し、攻撃したと主張した。
在イエメン・英国大使館は6日、「フーシ派が無謀にも国際海運にミサイルを撃ち込んだ」と非難。今すぐ攻撃をやめるよう要請した。
米英当局は先に死者2人、負傷者6人と報告していた。
同船の乗組員は20人。インド人1人、ベトナム人1人、フィリピン人1人とされる。スリランカから2人、ネパールから1人の計3人が警備員として乗船していた。
貨物船はイエメン第2の都市アデンの南西約100キロでミサイル攻撃を受けたとされる。
フーシ派が運営するアルマシラTVは6日午後、紅海に面する港湾都市ホデイダの国際空港が米軍主導の空爆を受けたと報じた。
それによると、大きな爆発音が数回確認されたという。
米政府はこの空爆に関するコメントを出していない。