ヒズボラ最高指導者、武装解除要求を改めて拒否 レバノン

レバノン政府は米国が支援する計画に沿ってヒズボラに武装解除を求めている。
レバノン、親イラン組織ヒズボラの最高指導者カセム師(Getty-Images)

レバノンの親イラン組織ヒズボラの最高指導者であるカセム(Naim Qassem)師は15日、政府が同組織の排除に踏み切った場合、内戦に発展する可能性があると示唆した。

レバノン政府は米国が支援する計画に沿ってヒズボラに武装解除を求めている。

ヒズボラは40年前、イラン革命防衛隊(IRGC)の支援を受けて設立された。

カセム氏はテレビ演説で、「政府がヒズボラに対抗または排除しようとした場合、政府は絶望的な状況に追い込まれるだろう」と述べ、内戦の可能性をちらつかせた。

またカセム氏は「ヒズボラと政府は運命共同体であり、尊厳を持って共に生き、その主権を共に築く。もし政府が反対側に立ち、私たちと対峙し排除しようとしたら、レバノンは死に絶えるだろう」と述べた。

イスラエルとヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。

イスラエル軍は協定発効後も首都ベイルートや南部を定期的に空爆。そのほとんどがヒズボラの戦闘員やその関連施設に対するものである。

イスラエルとヒズボラは停戦発効から60日以内にレバノン南部から部隊を撤退させ、その後、レバノン正規軍と国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が南部を管理することで合意していた。

しかし、イスラエルはレバノン側が合意を守っていないと主張。撤退を拒否している。

ヒズボラはこの戦争で大打撃を受け、前最高指導者のナスララ(Hassan Nasrallah)師を含む指導部のほとんどと5000人以上の戦闘員を失った。

レバノンのサラム(Nawaf Salam)首相はカセム氏の発言を非難。内戦の脅威が含まれているとし、「容認できない」と述べた。

米国はこの2カ月間、イスラエルが空爆を完全に停止し、南レバノンの5カ所から部隊を撤退させる見返りに、ヒズボラを完全に武装解除するようレバノン側に求めてきた。

ヒズボラは武装解除を拒否しているが、非公式には戦力を縮小する可能性を示唆している。

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